花王と武田薬品、タイのデング熱対策で覚書を締結

粧業日報 2022年11月11日号 3ページ

花王と武田薬品、タイのデング熱対策で覚書を締結
 花王と武田薬品工業は10月28日、それぞれの子会社を通じ、タイ王国で最も深刻な社会問題であるデング熱感染症について、「タイ・デング熱感染症予防および対策に関する覚書」を締結した。これは、両社が民間企業として初めてタイの機関とも連携し、かつ長期的に実施する協力体制となる。

 今回の覚書締結により、より広いコミュニティを活用することが可能となり、両社は支援をさらに進めていく。この協力体制により、バンコク都全50地区をカバーすることができるようになるが、両社はさらにサポートする地域を全国に拡大することを目指す。

 覚書締結のために実施された調印式には、梨田和也 在タイ日本国大使とChadchart Sittipuntバンコク都知事が出席した。

 バンコク都知事のChadchart Sittipunt氏は、「2022年の9カ月間だけでもバンコク都におけるデング熱感染症患者数として、3000名以上が確認されており、死者も出ている。バンコク都は、高層ビル、マンション、公園など多様な場所があり、さらに高い人口密度により、タイで最もデング熱感染者が多い地域の1つとなっている。両社との連携による啓発活動や、バンコク都全地域における効果的なキャンペーン展開に期待している。蚊を媒介するこの疾患は、住民、健康ボランティア、医療従事者をはじめすべての人々の幸福に影響を及ぼしている。これは喫緊の問題であり、多くのサポートを必要としている」と語った。

 花王インダストリアル(タイラインド)の清水祐二社長は、「デング熱感染症は蚊が媒介する感染症で、タイや東南アジア諸国では、長年にわたって大きな社会問題となっている。花王は、デング熱感染症に関する啓発活動を含む、未来のいのちを蚊から守るための『GUARD OUR FUTURE』プロジェクトを昨年より正式に開始した。花王インダストリアル(タイランド)とタイ武田は、バンコク都庁の強力な支援を受けて学校でデング熱感染症の教育活動を展開するなど、共同の取り組み活動を緊密に進めてきた。我々は、子どもたちの未来をデング熱感染症の脅威から守るという共通の目的と目標を持って協力を続けていく。タイの人々のために、企業、官民、国の枠を超えてチームとして協力できることを嬉しく誇りに思う」と述べた。

 花王インダストリアル(タイランド)とタイ武田は、今年8月、「デング熱感染症:生命を脅かす危機、そして誰もが直面する静かな脅威」をテーマに、バンコク都の各地でデング熱感染症リスクを啓発するイベントを行った。

 6月15日のASEANデング熱感染症デーで全国的にデング熱感染症に対する認識が高まったことを受け、このイベントでは、「バンコク都衛生ボランティア」の人々に力を与え、デング熱感染症の啓発活動を行うことを目的として、デング熱感染症の発生を抑制・予防するための包括的なアプローチを地域のボランティアに提供したという。
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