アンチエイジング、エクソソーム新原料3製品を上市

週刊粧業 2022年11月7日号 6ページ

2022年11月9日 11時00分

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 アンチエイジングは、2012年の設立以来ヒト幹細胞培養液を専門に化粧品原料を供給し続けている日本のヒト幹細胞培養液におけるパイオニア企業で、今年設立10周年を迎えた。

 10周年にあたり同社はヒト幹細胞由来のエクソソーム関連原料3製品の上市を発表し、さらなる市場拡大を目指す。

 代表取締役の牛島美樹氏に新原料上市の意味とヒト幹細胞培養液のこれからについて話を聞いた。

多機能に働くヒト幹細胞培養液
エクソソーム原料の裾野を拡大

 ヒト幹細胞培養液は、多くの化粧品原料と大きく違う点がある。多くの化粧品原料は天然物の中から有効性のある物質を見つけ、その効果を最大限に引き出すために抽出や精製を繰り返して開発される。

 一方でヒト幹細胞培養液は、培養液中で幹細胞を培養し、成長因子やエクソソームを分泌させた後、その中から幹細胞を取り除いたもので、幹細胞を取り除く以外に抽出も精製も行っていない。これは私たちの体内で幹細胞が働くシステムそのままの濃度で、ヒトの創傷治癒の過程そのものであり、生物学の考え方に基づく化粧品原料といえる。

 幹細胞が再生医療に使用されることからわかる通り、幹細胞の働きは、機能不全となった組織を修復することであり、そのときに使われるシステムの一部が成長因子やエクソソームだ。機能不全となった組織の修復と美容は関係ないと考えがちだが、エイジングによる組織の機能不全によって、シワやたるみ、シミやくすみが発生しており、それを根本から総合的に改善するのが、ヒト幹細胞培養液である。

 こうした独自の機能は、化学物質として単離された成分と大きく違う。既存の化粧品原料の中でイメージが近いものとしてはビタミンCが挙げられる。人間の体内で、非常に多機能に利用されている生理活性物質であり、化粧品としては美白、抗酸化、コラーゲンの誘導など、多様な目的で配合される。ビタミンCは単一の化学物質だが、一方で人間の体内で元々利用されている生理活性物質でもあり、生物学的化粧品原料といえる。

 「このように生物学的化粧品原料は、単一の目的ではなく、私たちの体に対して多機能に働く」

 ヒト幹細胞培養液の多機能性の象徴の一つがエクソソームであり、幹細胞が線維芽細胞やケラチノサイトなど、創傷治癒に関連する細胞に情報伝達するための様々な情報を含んだ情報伝達カプセルで、ヒト幹細胞培養液の機能性のほとんどを単独で再現する。

 エクソソームはガラスやプラスチックの容器に張り付いてしまうことが知られている。同社のヒト幹細胞培養液はリポソームにすることで、基本的には張り付きを抑制している。

 ヒト幹細胞培養液の需要が高まり、リポソーム化していない原料の需要も拡大する中、RemyStemはローリングボトル培養という他にはないエクソソームを大量に分泌させる培養方法で、容器に付着するロスがあっても十分機能する。化粧品原料製造のために幹細胞を培養していることは同社原料の大きな特徴だ。

 「近年エクソソームに対する注目度が上がってきたことにより、それを保護する必要性が高まり、開発された技術EXO-SAVEだ。この技術によって、エクソソーム含有量は約7倍にも増加する。この技術を使用した新原料がRS ExosaveとRS Exosave9.6Eだ」

 なお、元々RemyStemには豊富にエクソソームが含まれていたが、それを化粧品のパッケージに表示することができなかった。EGFやFGFが含まれていても表示できないことと同様に、幹細胞が分泌する分泌物は、ヒト幹細胞順化培養液という表示名称に含まれてしまうためだ。

 同社の原料のうち、RemyEV-3とRS Mixture9.6Eに関しては、後からエクソソームを添加しているためヒト脂肪由来間葉系細胞エクソソームという表示名称を記載できる。しかしこれらの原料は非常に高価なため、より安価な原料にエクソソームを後添加し、購入しやすい原料としたのがRS Liposome3.0E Complexだ。

冷凍保存と冷蔵保存を比較、
由来より培養法が機能性に影響

 多くの会社からヒト幹細胞培養液が供給されるようになってきた昨今、様々な情報が流布されている。その一つにヒト幹細胞培養液は冷凍保存しないと機能性が落ちる、という情報がある。エクソソームを例にとると、確かに水溶液中で緩やかに分解していくが、冷凍することでも融解する。一度の凍結で減少するエクソソームは20%を超えるというデータもある。一方で冷蔵保存された場合は、1年間で10〜20%分解している。これらは、冷凍、冷蔵の条件によって変わってくるものの、冷凍保存よりも冷蔵保存が劣っているということではない。図1は同社の冷蔵保存のヒト幹細胞培養液と冷凍保存のサンプルの比較だが、同社の原料は圧倒的にエクソソームが含有されていることがわかる。

 冷凍保存の最大のメリットは防腐剤の添加が必要なくなることだ。そのため医療で用いられるヒト幹細胞培養液は冷凍保存される。一方で化粧品に配合される段階で防腐剤が添加される化粧品原料としてのヒト幹細胞培養液では、冷蔵保存と防腐補助剤の組み合わせは合理的な選択といえる。



 様々な由来の幹細胞の培養液が供給されるようになり、由来の違いをアピールすることも多いが、幹細胞の由来による機能性の違いはそれほど大きくない。図2は骨髄、臍帯血、脂肪組織それぞれの由来の幹細胞による創傷治癒効果の実験データだが、培養条件を揃えて試験をすると、その違いはほとんどない。

 一方で、同社の「ローリングボトル培養のRemyStem」と、「一般的な培養方法で得られた幹細胞培養液」、「老化した細胞」による創傷治癒効果を見る実験を行ったところ、「ローリングボトル培養のRemyStem」が良好な結果となった。

 「幹細胞の由来よりも、培養方法や細胞の状態が機能性を大きく左右する。化粧品原料としては稀有な存在ともいえる生物学的原料のヒト幹細胞培養液に関して、今回その保存方法や様々な由来の幹細胞培養液について、データを提示した。通常の化粧品原料とは違うノウハウが必要なヒト幹細胞培養液だが、特性を理解すれば、非常に多機能な性質を持つ原料でもある。正しい知識に基づき、ヒト幹細胞培養液を活用してくれることを願う」

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