グリコ栄養食品、人生100年時代を美しく生きるための機能性素材を紹介

C&T 2022年12月15日号 40ページ

カンタンに言うと

  • 毛穴・シミ・しわの悩みを一つでアプローチ「バイオグリコーゲン」
グリコ栄養食品、人生100年時代を美しく生きるための機能性素材を紹介
 小麦グルテン、デンプン、着色料、米粉から機能性素材に至るまで様々な原料の製造販売を行うグリコ栄養食品は、毛穴・シミ・しわの悩みを1つでアプローチする機能性素材「バイオグリコーゲン」についての講演を行った。

 アプリケーション技術開発センターウェルネスグループの舟橋依里氏は、人生100年時代と肌を取り巻く環境に関して、「日本人の平均寿命は、1955年は男女60代だったのが、2020年では80代にまで伸びている。さらに、定年退職年齢は1990年代に60歳となり、65歳までの雇用確保措置が義務化されるなど、今では70歳まで働くことが推奨されている。このように生きる時間も、働く時間も延びる中、元気かつ心豊かに過ごす方法を考える必要がある」と話した。

 続いて、化粧品全般の使用頻度が高い女性を例に、10代から60代まで各年代の肌状態(図1)を示し、「年代によって肌状態は変化し、それに応じて肌悩みも変化していく。また、外部環境の変化や生活習慣の乱れも肌悩みに大きく関わる。私たちは生まれた時から紫外線、大気汚染物質、花粉などを浴び、さらに空調による温湿度の変化、近年ではマスクの擦れなどの物理刺激などを受けている。生活習慣の乱れとしては、人間関係のストレス、食事、睡眠、運動習慣などが挙げられる。このように様々な要因によって肌悩みが増加することがわかっており、それぞれの肌悩みに適切な化粧品を選ぶのは大変だが、バイオグリコーゲンは複数の肌悩みを解決することができる。植物由来のデンプンを原料にし、独自の酵素を作用させることにより生成される高純度なグリコーゲンだ」と語る。

 グリコーゲンという物質は、Ⅾ₋グルコースがグリコシド結合によって重合した、多数の枝分かれがある多糖類で、主に骨格筋と肝臓に分布していることがわかっており、代表的な役割としてエネルギーの貯蔵が挙げられる。

 一方で、動物の皮膚中にも約0.05%のグリコーゲンが含まれていることがわかっており、ダメージの回復に利用されているといわれている。

 「当社の研究では、ヒアルロン酸と同様、加齢とともに皮膚中のグリコーゲンが減少することが確認された。そこで、グリコーゲンが肌の健康に関与しているのではないかと考え、研究を進めた結果、バイオグリコーゲンの開発につながった」

 バイオグリコーゲンは、高純度かつ均一の分子サイズであることが大きな特徴となっており、構造は天然のグリコーゲンとほぼ同じで、無味無臭の白色粉末、水に溶かした際には牡蠣の煮汁のような乳白色で半透明の溶液となる。



 主な機能は保湿と抗酸化(図2)で、保湿機能としてはヒアルロン酸産生効果、セラミド産生効果が確認できている。これらの効果によって、乾燥、毛穴の開き、しわ、たるみなどの肌悩みを解決に導き、湿度・温度の変化による影響に対応することが可能となる。

 ヒアルロン酸産生の働きについての試験では、正常ヒト表皮角化細胞に各濃度のバイオグリコーゲンを添加し、24時間培養後、培養上清に含まれるヒアルロン酸量を測定した。Controlに対して、バイオグリコーゲンの添加で有意にヒアルロン酸量が増加していることが確認でき、バイオグリコーゲンがヒアルロン酸産生を促進することが示唆された。



 次にセラミド産生の働きについての試験では、ヒト皮膚3次元モデルに2%バイオグリコーゲンを添加し、7日間培養した後、抽出したセラミドNS を薄層クロマトグラフィーで検出し数値化した。Controlに対して、2%バイオグリコーゲン添加では有意にセラミド産生量が増加しており、セラミド産生促進効果が示されている(図3)

 保湿効果に関しては、ヒトでの効果検証も実施している。日頃から肌の潤い不足を感じている45~59 歳の健常な男女20名を対象に、バイオグリコーゲン配合の化粧品を、1日2回、1カ月間半顔に塗布した。その結果、角層水分量・毛穴平均面積・最大しわ平均深さの改善が確認できた。

 また舟橋氏は、「一般的に、抗酸化作用は紫外線、PM2.5などの大気汚染物質のダメージを減らし、シミやたるみといった肌悩みの改善につながるといわれている。酸化に大きく関わる活性酸素種(ROS)は、人の体にとって必須な生理活性物質だが、過剰量のROSは肌の老化を促進させる。過剰量のROSは、核酸・タンパク質・脂質などを攻撃し、酸化ストレスを与えてしまう。ROSを減少させるためには、抗酸化関連タンパクが重要となる」と話す。

 そして、バイオグリコーゲン添加による、ROS蓄積量減少を示す試験結果を紹介した後、細胞の抗酸化関連タンパクの発現量への働きを確認する試験を紹介した。

 正常ヒト表皮角化細胞に 600μg/mL のバイオグリコーゲンを添加し、24時間培養後、細胞を回収し、抗酸化関連タンパクの発現量をウエスタンブロット法で解析している。その結果、抗酸化関連タンパクの発現増加が確認できた。



 さらに、抗UV効果を確認するヒトでの効果検証を実施しており、健常な男女17名を対象に、0.5%バイオグリコーゲン配合クリームとプラセボクリームをそれぞれ1日2回、1ヶ月間塗布した。メグザメーターを用いて、エリスマ値(紅斑の指標、ヘモグロビンの皮膚色素の濃さ)を測定したところ、エリスマ値の減少が確認できたという(図4)

 最後に舟橋氏は、「長い人生を生きる上で、年代ごとの様々な体の変化と外部環境の影響は避けられないものであり、多くの肌悩みが付きまとう。バイオグリコーゲンの持つ保湿・抗酸化機能によって、シミ・しわ・たるみ、毛穴の開きなどの肌悩みを抑制することが可能であり、肌の変化を楽しみながら、幅広い年代において元気で健やかな毎日の実現に寄与できるだろう。中文INCIの登録もあり、化粧水、乳液、ボディクリームなどのスキンケア商品から、シャンプーなどのヘアケア商品と、幅広い剤形に利用いただくことができる。当社では、本日紹介したバイオグリコーゲンのほかにも、様々な原料を取り扱っている。興味があればぜひ問い合わせいただきたい」と締めくくった。
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