花王、BtoB衛生ソリューションビジネスに参入

粧業日報 2023年1月6日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 企業や団体の感染症対策をサポートする新会社設立
花王、BtoB衛生ソリューションビジネスに参入
 花王は、2023年1月より、業務用衛生事業を担うグループ会社「花王プロフェッショナル・サービス(KPS)」を通じ、企業や団体の感染症対策をサポートするBtoB衛生ソリューションの事業化を開始するにあたり、KPSの100%子会社「キラリアハイジーン」を新設し、さらなる衛生的な社会の実現を目指していく。

 花王グループは、2021年より「未来のいのちを守る~Sustainability as the only path」をビジョンに掲げた中期経営計画「K25」をスタートさせた。健康で持続可能な社会の実現に向け、ライフケア事業では、業務用衛生分野(KPS)を通じて、人々の日常生活における感染症の効果的な予防に取り組んでいる。

 業務用衛生分野を担うKPSでは、これまでも飲食店をはじめ、介護施設、病院、宿泊施設向け業務用製品の販売や、衛生管理に関わるノウハウ提案を行うことにより、生活者が快適に安心して過ごせる環境づくりを考えてきた。

 2020年以降は、コロナ禍による社会の衛生意識の高まりを受けて、行政や公共施設に向けた提案をするなど、活動領域を拡大している。

 高い衛生意識が継続する中、社会の衛生を守るためには、適切な対策を講じることが重要といえるが、企業や施設からは「感染リスクが高い場所がわからない」「しっかりとした対策を効率的に実践したい」といった声があがっている。

 今回は、花王の病原性細菌・ウイルス対策研究による高度な感染症リスクの評価・分析を行う技術と、KPSが培ってきたプロフェッショナルな衛生管理知見の集積により、感染症対策サポートのための新たな衛生ソリューションを開発し、「Kiralia(キラリア)」ブランドとして展開することとなった。2023年1月より、法人に向けた衛生ソリューションビジネスをスタートさせる。

 事業化にあたっては、感染症対策のサポートとして、顧客の個々のニーズに寄り添った、より専門性の高いソリューション提案ができる新会社を設立。業務用製品の販売を担うKPSの傘下で、幅広く活動していくことを目指す。

 新たに展開する衛生ソリューションビジネスでは、企業や団体の感染症リスクの評価・分析を行う。花王がこれまで培ってきた評価・分析技術資産と、KPSの衛生管理知見の集積により、5つのステップからなるプログラムを構築した。

 具体的には、「①各施設における人の行動、施設内環境、換気をもとに感染リスクを評価・分析し可視化」した後、「②分析結果を受け、顧客の状況に合った適切な改善方法を提案」するとともに、「③従業員教育のサポートも実施」する。基準をクリアした顧客に向けては、「④提案メニューに沿って感染対策を行っていることを認定する『Kiralia(キラリア)』ステッカーを付与」する。また、「⑤定期的に感染症対策への取り組み状況を確認し、さらなる改善に向けた提案」を行っていく。

 今後も花王グループは、ライフケア事業の中核を担う業務用衛生分野にて、商業・公的施設のプロフェッショナルなニーズに即した衛生ソリューションを提供するビジネスの展開を加速させていく。
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