阪本薬品工業、少ない界面活性剤量で高機能なクレンジングオイル処方を実現

週刊粧業 2023年1月1日号 93ページ

阪本薬品工業、少ない界面活性剤量で高機能なクレンジングオイル処方を実現
 グリセリンの専業トップメーカーで、100%植物由来のグリセリンからポリグリセリン脂肪酸エステルなどの各種誘導体までを一貫して製造・販売する阪本薬品工業では、ポリグリセリン脂肪酸エステル「オレイン酸ポリグリセリル-4(以下、O-401P)」の配合により、少ない界面活性剤量で水洗性と耐水性を両立し、乳化せずにメークを落とすという全く新しいクレンジングオイル処方を提案している。

 同社によると、これまでのクレンジングオイル処方は2つのタイプに大きく分類され、耐水性が低く濡れた手では使用できない「溶解型」と、自己集合体を形成することで水洗性と耐水性を両立し、濡れた手で使用できるものの、15~20%の界面活性剤量を必要とする「液晶型/バイコンティニュアス型」が主流となっていた。

 いずれも乳化させてメーク汚れを洗い落とす設計であるのに対し、今回同社が提案している新たなクレンジングオイル処方では、溶解型や液晶型/バイコンティニュアス型と異なり乳化させることなく、メーク汚れを溶解したオイルをO-401Pが大きな粒子となって包み込み、水洗時にそれが大きな油滴となって汚れが再付着することなく洗い流されるという。

 O-401P配合クレンジングオイルの性能評価では、手の甲に塗布した口紅に界面活性剤と油のシンプルなベース処方(O-401P10%、オリーブ種子油50%、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル40%)で設計したクレンジングオイルをなじませてすすいだ結果、メーク汚れが大きな粒子となって洗い流された。また、すすぎ後のメーク汚れの残留がなく、粒子が再付着しないことも確認されている。

 「単に油をメークに馴染ませてもそれだけではメーク汚れが洗い落ちず、活性剤を配合して水で乳化させるのがクレンジングオイルの基本だった。それに対し、当社では乳化させない異なるアプローチを検討し、濡れた手で使用できる従来の液晶型/バイコンティニュアス型と比べて活性剤量が10%と少量ながら、水洗性と耐水性の両立を実現した。原料自体は以前からあるものだが、これまでにない全く新しいアプローチのクレンジングオイル処方として提案に注力していきたい」(同社)
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