清長、物流起点で事業戦略・付加価値創出を支援

C&T 2023年3月15日号 74ページ

カンタンに言うと

  • 攻守を両立した物流サービスを提供、3つの検証で最適な物流システム構築
  • コスメ特化型の物流サービスに強み、キメ細やかな対応で顧客満足向上へ
清長、物流起点で事業戦略・付加価値創出を支援


攻守を両立した物流サービスを提供
3つの検証で最適な物流システム構築

 企業が抱える物流課題に対して、同社は利益を生み出し続ける「守り」の物流と、新規売上の獲得・向上を図る「攻め」の物流を両立させた課題解決型のサポート提案を取り入れている。

 利益を生み出し続ける「守り」の物流提案では、不景気に備える「物流的構造改革」として、「コスト構造検証」「物流CRMサービス検証」「人的リソース最大活用検証」の3つの検証を行い、最適な物流システムの構築を提案している。

 「ユーザーの離脱を防ぐだけでなく、もっとファンになっていただける物流サービスの提供を狙いとしている」(日朝氏)

 コスト構造検証では、配送料や庫内作業料、保管料、物流システム料、梱包資材料、各種固定費といった物流コストを全て可視化されていること、かつ、それら物流コストが単価計算され、固定費ではなく変動費として計算できること、さらに月毎に評価できることを検証ポイントとする。ECの物流コストは売上比率に対して10~15%程度、卸の場合は4~7%程度が適正とされる。

 物流CRMサービスの検証では、誤出荷件数、受取時の梱包満足度、返品対応、出荷スピード、物流レビューの5項目を検証し、物流品質の向上につながるサポートを行う。

 人的リソース最大活用では、IT・デジタル活用で、人手不足の課題解決や働き方改革の推進につなげる。出荷依頼データの受け渡しなど業務のリモート化を推進し、物流担当者がテレワーク対応できる体制づくりをサポートする。

 「攻め」の提案サポート「新規売上獲得につなげる物流」では、成長を加速させるための物販ピボットの提案で、販売チャネルや商品カテゴリーの変化に応じた販売サポートも取り入れている。

 物流ピボットの提案では、事業者の販売チャネルと商品をそれぞれ、新規と既存の2軸で捉え、成長領域への積極投資を提案する。

 日朝氏は、「売上が伸び悩む企業の多くは、既存の販売チャネルで既存の商品を提案することにとどまっているケースが多い。既存チャネルに新しい商品カテゴリーを提案したり、既存の商品カテゴリーで新しいチャネルを開拓したりといったことを、効率よく積極的に取り組む必要がある」と述べ、同社の取引企業の中で、アパレルや雑貨を販売するEC事業者が、新たに化粧品の取り扱いを開始して、支柱の事業に成長した事例を紹介した。

 その一方で、日朝氏は「積極的に新たなチャネルや商品展開を進めようとしても、利用する物流会社側が得意な販路、得意な商品カテゴリーでのノウハウに偏っていて難しいケースもある」と話し、「多様なチャネル、多様な商品カテゴリーで柔軟に対応できる物流サービスであるかどうかを確認されることをお勧めしたい」とアドバイスする。

コスメ特化型の物流サービスに強み
キメ細やかな対応で顧客満足向上へ

 セミナー後半では、コスメ特化型の物流サービスも可能な「ロジプレミアム」について紹介した。同社は、「化粧品製造業許可」および「医薬部外品製造業許可」を取得しており、化粧品・美容関連企業との取引が増えていることから、コスメ・ビューティ特化型の物流サービス「ロジプレミアム コスメ」も展開している。

 「ロジプレミアム コスメ」では、ファンの増加とブランド価値向上の基盤づくりを支援する。商品のセット化やギフト対応のほか、有効期限やシリアル管理も行う。事業者の要望に応じて物流サービスをカスタメイドできるのが特徴だ。

 日朝氏は、EC市場の成長にともない、「従来の店舗や卸のビジネスに加え、ECへの対応が必要となっている。ブランド毎にユーザー接点を再構築する必要があり、それに合わせて最適な物流システムを構築していくことが理想的だ」と話す。

 近年、大手ECプラットフォームのユーザーレビューでは、商品自体の評価より商品が届くスピードや梱包方法に関する評価が重視される傾向にあるという。

 日朝氏は、「コロナ禍でECの利用頻度が高まり、その傾向はさらに強まっている。出荷・配送スピードの徹底や丁寧な荷姿、環境にやさしい梱包など高い物流品質を提供することで顧客満足向上につなげ、ファンやリピーターを増やし、ブランドの成長を後押ししていきたい」と話した。

 同社では、自社の物流品質の理解促進に向けて、コロナ前は倉庫の見学会も積極的に行ってきた。コロナ禍では、オンラインセミナーに切り替えて定期的に実施している。コロナの状況を見ながら、見学会を再開する予定だという。
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