サティス製薬、第2の皮膚形成技術を開発

粧業日報 2023年5月2日号 3ページ

サティス製薬、第2の皮膚形成技術を開発
 サティス製薬は、新規技術搭載のスキンケアシリーズの第2弾として、熱感応ポリマーと球状ポリマーにより、肌表面の凸凹を即時的になめらかにする、塗る第2の皮膚形成技術を開発した。

 人工皮膚は、コラーゲンやシリコーンなどを原料とし人工的に作られた皮膚であり、再生医療の分野で近年大きく注目されている。主に医療現場で使われる人工皮膚だが、近年は第2の皮膚として美容分野での応用も進んでいる。長期使用により肌の課題を解決するスキンケアに対し、同技術は、使用直後から肌表面をなめらかにする即効性があることが特徴だ。

 一方、美容分野の第2の皮膚技術は、専用の装置が必要であったり、塗布後に膜を乾かし、被膜をはがすなどの手入れが必要だったりと、毎日のスキンケアとしては気軽に取り入れることが難しく、普及の妨げになっている。そこで同社では、毎朝、毎晩のスキンケアに気軽に取り入れられるよう、特殊な装置や、時間のかかる処置を必要としない第2の皮膚形成技術の開発に取り組んだ。

 同社では第2の皮膚形成技術の開発にあたり、イモリの尻尾やウーパールーパーなどに代表される、体の一部が切断されてもすぐに再生する再生生物の皮膚構造に着目。傷が発生すると肌の最表面を覆うように最外層から再生し、その内部を湿潤成分で満たすことで、傷跡を一切残すことなく、素早い皮膚の再生を可能にするこの皮膚構造にヒントを得て、今回、製剤技術でこの構造を模倣し、肌上に第2の皮膚を形成する技術の開発にこぎつけた。

 「生体模倣第2の皮膚技術」と名付けられたこの技術は、密着性を高めた製剤に2種の機能性ポリマーを組み込んでいる。まず肌表面の毛穴やニキビ跡にしなやかにフィットする球状ポリマーが、肌の上を転がりながら、肌表面をフラットに整えていく。さらにその際、塗布中の手のひらの温度によって製剤の最表面の構造が変化し、角層を代替する疑似角質膜となって肌の最表面を覆い、その内部を湿潤成分で満たすことで、即時的に人工皮膚を肌表面に形成させることを可能にした。

 技術を適用した肌表面の様子を、レプリカパックを用いて評価したところ、毛穴目立ちが最大で31.8%減少し、開いた毛穴が目立たなくなるという結果が確認された。この結果から、同技術を毎日のスキンケアに組み込むことで、「気になる毛穴やニキビ跡を目立たなくする効果が期待される」(同社)という。

 球状ポリマーに保湿成分を含侵させたテスト処方を開発し、1カ月間の連用を実施したところ、角層水分量は約80%、キメの細かさ・均一さは約40%改善する結果が得られた。球状ポリマー部に含侵させる成分は自由にカスタマイズすることができるといい、同技術を応用することで、使ってすぐに毛穴目立ちを改善するだけでなく、使い続けることで、素肌の状態から毛穴の目立ちにくい肌に整えることも可能としている。
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