阪本薬品工業、機能と使用感を両立した各種原料を提案

週刊粧業 2023年5月15日号 11ページ

カンタンに言うと

  • サステナブル処方の課題を解決
阪本薬品工業、機能と使用感を両立した各種原料を提案
 天然グリセリンの専業メーカーで、RSPOサプライチェーン認証取得企業である阪本薬品工業では、人体や環境にやさしいサステナブルな原料で食品や医薬品など幅広い産業で用いられる安全性の高い植物由来のグリセリンをベースとしたポリグリセリン脂肪酸エステルなどの各種誘導体を中心に、優れた機能と使用感を両立し、新たな価値を生み出す化粧品原料の提案に注力している。

 今回のCITE JAPANでは、植物由来のグリセリンを通じて持続可能な社会の実現を目指す自社の企業姿勢を改めて業界にアピールするほか、「サステナブル処方の開発において、機能と使用感の両立に課題を持つお客様から最初に相談してもらえるようなパートナーとなることが我々の大きな目標であり、一緒に課題を解決していくソリューション提案型企業としての認知を高め、新たな関係性の構築を目指す」(同社)という。

 ブース内は6つのゾーン(保湿剤、W/O乳化剤、O/W乳化剤、可溶化剤、増粘ゲル化剤、抗菌製剤)にセグメントし、機能と使用感を両立したサステナブル処方の開発をサポートする各種原料を提案する。

 保湿剤では、高保湿化粧料の開発において想定される「しっとりさせるとべたつく」「どれもよく似た感触になりそう」「オイルフリー処方でもエモリエント感は欲しい」といった課題に対し、なじみが良くべたつかない使用感の「ジグリセリンS」、エモリエント感を付与する「PGL-S」、リッチ感やコク感、ハリ感(被膜感)を付与する「ポリグリセリン#750」といった使用感が異なるポリグリセリン3製品を紹介する。

 O/W乳化剤では、乳化安定性が高く幅広い使用感で、PEG(ポリエチレングリコール)系界面活性剤フリー処方を実現するポリグリセリン脂肪酸エステルを提案する。

 W/O乳化剤では、伸びが良くべたつかない感触のポリグリセリン脂肪酸エステルを紹介し、使用感と安定性を両立したPEG・シリコンフリーのファンデーションやサンスクリーンの処方例もセットで提案する。

 可溶化剤では、精油や香料に対して高い可溶化性能を示す高親水性ポリグリセリンエステルを紹介する。「可溶化剤で汎用的に使用されているPEG系の水添(硬化)ヒマシ油と同等の機能を製品に付与でき、PEGフリー処方の課題を解決できる」(同社)という。

 増粘ゲル化剤では、合成ワックスを使用せず天然由来原料のみで構成されるバーム製品への置き換えが進んでいることから、高温安定性と使用感に優れたポリグリセリン系オイルゲル化剤を提案する。

 抗菌製剤では、全成分植物由来でカビなど幅広い菌に対して抗菌作用を持ち、ロットブレもなく安定的な調達が可能で防腐剤フリー処方を実現する「SYプランテックスKNP」をアピールする。
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