パーソナルケアやホームケア用途の天然系ポリマーを開発・提供するDOC Japanではこのほど、ジャガイモデンプン由来の水溶性ポリマーをカチオン化した機能性ポリマーの「DOCSTARCH CP Plus」(以下、ドックスターチ)に、ヘアカラーの褪色を抑制する新たなデータを取得した。
主にヘアケア用途での提案を強化しているドックスターチはこれまで、泡質の改善や指通り性の向上に加え、毛髪のメラニン流出を防ぐことにより、空洞化による毛髪のダメージ進行を防ぐ効果も確認されている。
大川彰子社長は、新たなデータの取得に至った経緯と具体的な試験内容について、「メラニンの流出を抑制する機能から着想を得て、我々はドックコートが毛髪表面に形成する皮膜に特徴があると考えた。メラニンの流出抑制と同様にヘアカラーの褪色防止へのニーズも高いことから、それに付随して褪色を防ぐ効果を検証したところ、最も色落ちしやすいアッシュ系のカラー剤を用いた第一段階の試験で褪色抑制の傾向がみられた」と話す。
次のステップとなる第2段階の試験では、異なる色のカラー剤や同社が展開する他の天然系ポリマーとの併用によるブースト効果などの検討を進めていく。
「褪色防止は日本だけでなく、海外でもニーズが高い。海外では特に環境負荷の低減で多機能な原料が注目されており、『マルチファンクショナルポリマー』として提案を強化していくことで、受注の拡大へとつなげていきたい」(大川社長)
天然系ポリマーの既存原料ではこのほか、シャンプーに配合することですすぎ時にコンディショニング効果を発揮するほか、ヘアトリートメント成分のノリを良くしてシャンプー後に使用するコンディショナーの効果を高める「DOCQUAT(ドックコート)10」と、傷んだ髪の疎水性を回復して毛髪をケアするほか、頭皮に潤いを与えて健康な地肌に導く「DOCSilFee(ドックシルフィー)」の受注も好調だ。
「気候変動により、世界各地で水不足が深刻化している。今後は日本でも節水を訴求したヘアケア製品の増加が想定され、トレンドを見据えた原料開発に努めていく」(大川氏)
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この記事は週刊粧業 2024年6月3日号 15ページ 掲載
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