コーセー、新規事業「Dear Child Skin」を立ち上げ

　コーセーは、新生児期からの子どものスキンケア習慣を日常的な生活習慣の一つとして根付かせ、将来にわたり健やかな肌と心を守ることを目指す新規事業「Dear Child Skin」を立ち上げた。

　また新規事業の第1弾商品として、新生児から敏感肌の大人まで使える薬用高保湿乳液「ぬるミルク」（医薬部外品、ノープリントプライス）を、同社の直営店、オンラインサイト「Maison KOSÉ」にて、8月1日より発売した。

　同社では、中長期ビジョン「VISION2026」の中で、新たな顧客づくりの拡大領域としてグローバル（Global）・ジェンダー（Gender）・ジェネレーション（Generation）のそれぞれの頭文字をとった「3G」を掲げ、性別や年齢にとらわれない、より多くの顧客に寄り添う商品やサービスを提供する取り組みを強化している。

　特に、新生児期からのスキンケアによって肌のバリア機能を健全に保つことは、アトピー性皮膚炎やアレルギー予防につながり、将来も含めたQOLの向上が期待されることから、スキンケアを歯みがきや手洗いと同じように重要な生活習慣として定着させることを目指して、様々な啓発活動を実施している。

　2022年10月には、幼保連携型認定こども園「たかさごスクールおおたかの森」（千葉県流山市）と医療機関所属の「小児アレルギーの専門医療チーム」（千葉愛友会記念病院、千葉県流山市）の協力の下、子どものスキンケア習慣化を目指した実証実験「スキンケアはじめて、つづけてサポート」を実施。スキンケアへの興味を育むことで、家庭でのスキンケア実施頻度の向上、2歳以上の子どもの習慣化促進が可能であることを確認した。

　新規事業「Dear Child Skin」は、幼保施設やこども園、産後ケア施設などを通じて、新生児期からのスキンケア習慣の定着に向けて同社の社員向け新規事業創出プログラム「LINK」で提案されたもので、「スキンケアはじめて、つづけてサポート」の実証実験を経て、今回、本格的な事業化に至った。子どもも大人も気軽に心地よく使用できる商品を展開すると同時に、楽しくスキンケアに取り組むことができるコンテンツの提供や習慣化に向けた啓発活動などを行う。

　薬用高保湿ミルク「ぬるミルク」には、同社の敏感肌研究の知見を盛り込んだ。肌あれ防止有効成分として「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合、うるおいあふれる健やかな肌へ導く。外部刺激から肌を守るバリア機能が未熟なため肌トラブルを起こしやすい新生児から、季節の変わり目や出産前後などの環境の変化により肌が敏感になりやすい大人まで、幅広い層が使用できる。べたつきのない伸び広げやすい使用感で、1品で顔にも体にも使用することが可能だ。

　スキンケアの習慣化のためには、子どもも大人も毎日のスキンケアを楽しんでもらうことが大切なことから、事業への親近感が湧くオリジナルのキャラクターを使用したコンテンツを作成・展開する。

　保護者向けには、子どもの肌の特徴や幼少期からのスキンケアの重要性、洗浄から保湿までのスキンケア方法をまとめた「スキンケアブック」を作成。啓発活動を行う施設などで配布するとともに、同内容を「Dear Child Skin」サイト上に掲載し、誰もが気軽に閲覧できる環境を整える。

　子ども向けには、スキンケアの大切さを伝えるアニメーション動画や絵本、オリジナルの歌詞や振り付けで楽しくスキンケアができる「ぬりぬりダンス」などを作成。サイト上に掲載するほか、啓発活動を行う施設において読み聞かせや体を動かす時間に活用してもらうことを想定している。

　具体的なアクションとして、子どもが自発的にスキンケアに取り組むよう幼保施設や子育て支援センターなどの施設で啓発活動を実施していく。共働き世帯が増加し、仕事や家事に追われながら育児時間を捻出している現代において、家庭のスキンケア時間をサポートすべく、友達と一緒に過ごす過程で多くの生活習慣を身に着けることができる幼保施設などを拠点に展開し、スキンケアの習慣化を図る。

　また、新生児期から乳児期の子どもの肌トラブルに悩む親は多いことから、出産直後の親に対してスキンケアの大切さと方法を伝えるべく、出産後の母子が心身のケアを受ける産後ケア施設への導入も進める。

　今後は、一人でも多くの人々にスキンケアの大切さを伝えていく一方、事業規模を成長させるため、導入店数の拡大や商品ラインアップの拡充も進める。また、産婦人科や小児科、産後ケア施設などへの導入も検討し、医師や看護師、助産師を介してスキンケアの大切さを伝えてもらう活動を推進するとともに、「ぬるミルク」の代行販売店を介したBtoBtoCのビジネスモデルも検討する。