粧業日報 2024年9月6日号 1ページ
カンタンに言うと
花王は、2024年7月に、少量多品種を生産する豊橋工場の次世代倉庫内の現場環境にて、豊田自動織機との協働により日本で初めて「自動運転フォークリフトによるトラックへの積み込み作業の実用化」に成功した。2024年10月には本格導入し、日常的に稼働を始める。生産工場から次世代倉庫内への製品入庫から出庫までに加え、トラックへの積み込み作業までを自動化することにより、今後の業務効率化や労働力不足への対応に貢献する。
物流の2024年問題を背景に、物流業務の効率化・自動化の必要性が高まっている。花王では、多様化するニーズに対応した特徴ある商品を、必要な量だけ届けることで、資源や環境への負担が少ない循環型社会に貢献するESG視点での「よきモノづくり」に取り組んでいる。
豊橋工場では「豊橋コネクテッド・フレキシブル・ファクトリー」構想を推進しており、生産・物流機能一体型運営による無駄のない製品の供給や、リードタイムの短縮、物流コストの低減、CO₂排出の抑制を図っている。さらに、自動化を進めることにより、労働環境の改善や、能率的で柔軟な働き方への取り組みを行っている。
ヘアケア・スキンケアなど少量多品種の製品を生産する豊橋工場では、2023年3月に次世代倉庫が完成し、工場から製品を入庫、仕分け、出庫するまでを自動化することにより、柔軟な物流体制への対応を進めてきた。しかし出庫後のトラックへの積み込み作業は、荷物やトラックの都度異なる規格への対応や停止位置の誤差調整、長距離輸送に耐えられる荷崩れ防止の養生も必要なことから、人の経験を活かしたフォークリフト運転技術が必要だった。
そこで花王では、積み込み作業の自動化に向けて、2021年より豊田自動織機と協働を開始し、2024年7月に、自動運転フォークリフトの実用化に成功した。試験環境ではなく、現場での実際のオーダー・輸送を伴う導入は、日本で初めてとなる。
積み込み作業の自動化に向けては、豊田自動織機が開発した「トラック荷役対応自動運転フォークリフト」を採用した。3D-LiDARを用いたトラック位置検出、ガイドレスでの自動運転に加え、AIを搭載することで、画像認識・ディープラーニングによるマーカーレスでのパレット位置・姿勢検出ができるという。荷役位置を自動で判断しながらトラックまでのアプローチ走行経路を自動生成するため、トラックの停車位置や積荷の姿勢が一定でない状況下においても荷役の自動化が可能となる。
花王では、自動化をかなえるロボットフレンドリーな倉庫環境の構築と、製品入庫からトラックへの積み込みまでをスムーズに自動化するオペレーション設計を行った。さらに、トラック輸送にも対応した業務プロセスの構築や倉庫内の設備を制御するITシステム(WCS)との連携を行った。
豊田自動織機の技術をもとに、花王の次世代倉庫の環境にいち早く導入するための仕様検討を両社で行い、今回の実用化に至った。引き続き、さらなる効率化を目指した協働を続けていく。
この記事は粧業日報 2024年9月6日号 1ページ 掲載
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