粧業日報 2024年9月18日号 1ページ
カンタンに言うと
アルビオンは、加齢とともに増加することが知られている小胞体ストレスと脂肪由来幹細胞の関係性についてお茶の水女子大学と共同研究を行い、小胞体ストレス状態にある脂肪由来幹細胞は「脂肪細胞へ分化ができないこと」「炎症性サイトカインを産生してしまうこと」を突き止めた。加齢に伴う脂肪組織の減少や皮膚組織で増加する慢性炎症の一因が脂肪由来幹細胞の小胞体ストレスであることを示唆しているという。
同社では、透明感のあるしなやかな肌の実現には健康な皮膚組織を維持することが不可欠であり、脂肪由来幹細胞へのアプローチが重要という考えのもと、脂肪由来幹細胞の皮膚組織への作用に着目し、研究を続けてきた。
脂肪由来幹細胞は、皮下組織に存在し、脂肪細胞に分化するが、脂肪組織だけでなく、骨や軟骨、心筋細胞、血管内皮細胞など様々な細胞に分化する能力をもつ。また、健全な皮膚組織を維持するために、重要な役割を果たしていることも次第に明らかになってきた。
細胞内にある細胞小器官の1つである小胞体では、タンパク質の合成や品質管理が行われるが、細胞が様々な環境変化にさらされると、不良タンパク質が小胞体内に蓄積してしまう。それを小胞体ストレスといい、その状態が持続すると細胞の機能に悪影響を及ぼすと言われている。小胞体ストレスは、加齢とともに増加することが知られている。
研究では、小胞体ストレス状態の脂肪由来幹細胞において通常の脂肪細胞が持つ脂肪滴という細胞小器官が作られず、脂肪細胞への分化が起こらないことがわかった。詳細な解析を行ったところ、小胞体ストレスにより、脂肪由来幹細胞から脂肪細胞への分化スイッチが入らず、脂肪細胞へ分化できなくなっていることが原因だとわかった。また、分化ができなかった細胞は、炎症性サイトカインの遺伝子発現が上昇していることもわかった。
脂肪細胞への分化に失敗した脂肪由来幹細胞は、炎症性サイトカインを産生し、さらに不良タンパク質を蓄積してしまうことにより、加齢とともに脂肪組織が減少すること、慢性炎症が起こることを突き止めた。つまり、健やかな皮膚組織を保つためには、小胞体ストレスを軽減することが重要だと考えられた。
共同研究の成果は、研究論文として細胞生物学や遺伝学関連の論文を掲載する英文科学術誌「CYTOLOGIA(キトロギア)」に掲載された。
この記事は粧業日報 2024年9月18日号 1ページ 掲載
■アルビオン、健康な皮膚組織の維持には小胞体ストレスの軽減が重要■サンスター、日本老年歯科医学会第35回学術大会にて発表■メナード、霊芝の胞子油に脳の神経幹細胞を増やす効果を発見■資生堂、新「フューチャーソリューションLX」体感イベントを開催■JADMA、「2023年度通販市場売上高調査」を発表
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