カンタンに言うと
エステーは2023年6月、上月洋社長が就任し、新体制の下で、新しい企業のあり方、方向性、成長戦略を討議してきた。1年を経て、10年後のありたい姿を明確にし、5月末に初めて中期経営計画を発表した。
日用品メーカーからウェルネス・カンパニーに移行することを骨子とする。原材料価格や人件費の高騰、マーケットのシュリンクで、従来のカテゴリー・販路ではメーカーとして、成長を持続することが難しいことが背景にある。
日用品市場の現状、ウェルネス・カンパニーのあり方、中長期の成長戦略について、上月社長にインタビューした。
――日用品業界も価格改定が進んでいますが、実質所得の減少で消費への影響が懸念されます。市場の現状について、どのようにご覧になっていますか。
上月 全体的にみると、通常の日用品のマーケットは人口減少が進行するので、同じ土俵で戦っていると、将来的に必ずシュリンクしてしまうと認識しています。我々は海外より国内事業のウエイトが高いので、昨今の原材料価格の高騰や円安基調はマイナスに働き、このままでは既存ビジネスは非常に厳しいと考えています。
ただ手が打てないわけではありません。既存ビジネスの中でも、シェアが高い防虫剤(収納ケア)などは売上が伸びれば伸びるほど利益が上がります。消臭芳香剤(エアケア)は商品開発が重要で、ヒット商品が生まれれば一気に売上・利益を伸ばすことができます。環境が厳しくても、既存ビジネスを活性化することは可能だと考えています。
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この記事はC&T 2024年9月17日号 42ページ 掲載
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