訪販ジャーナル 2024年9月30日号 1ページ
カンタンに言うと
資生堂とNTTは、資生堂の感性科学研究の知見とNTTの非接触情報提示技術を融合し、遠隔・非接触でも、化粧品の触り心地を視覚や聴覚を通して体験できる革新的な技術の開発を目指し、共同研究を開始した。
これまでオンライン販売では、実際の商品やテスターに触れることなく化粧品の触り心地を伝える手段は限られており、動画や言語表現による情報提供が主流だった。今回の共同研究を通じてさらに体験価値を高め、将来的には遠隔・非接触でも触り心地を体験し、時間や場所、言語などの制約を超えて、いつでも世界中の一人ひとりの多様なニーズに応える新たな体験機会を創出する。
インターネット上での商品やサービスの売買(オンライン販売)の急速な普及に伴い、多くの生活者がECの多様化が一般化している現在、オンライン販売の購買環境では、繊細で多様な化粧品の触り心地の確認など、店頭と同様に化粧品に直接触れて試すことができないといった課題が残されている。
資生堂は、一人ひとりの美のニーズに寄り添い、いつでも・どこでも、ビューティーの力を享受できる機会を提供することで、人々が幸福を実感できるサステナブルな社会の実現を目指している。その実現のために、資生堂の強みである人の感覚や心理といった主観的なものを客観的・科学的なアプローチで解き明かす感性科学研究とDXの融合にも多数取り組んでいる。
一方、NTTは人間が感じ取る感覚・知覚の内容を、リアルに、豊かに伝達・共有することを目指し、これを可能にする研究開発を行っている。近年では、素材の柔らかさを非接触で伝える技術提案を行っている。
今回、両社のビジョンと新しい技術開発に必要な知見が合致したことから、共同研究を開始するに至った。
共同研究で資生堂は、肌触りや化粧品の感触に関する知覚メカニズムの知見や、心地よい感触を生み出す製剤化の知見を提供し、NTTは質感を伝達する非接触情報提示技術や質感の錯覚に関する知見を提供する。
人間が化粧品基剤に触れた時の触り心地を視覚や聴覚など複数の感覚の視点で探っていき、最終的には、化粧品基剤の触り心地をさまざまな感覚で再現する感覚インターフェースを実現する。
この感覚インターフェースを活用することで、オンライン販売などで実際の商品やテスターに直接触れることが難しい状況でも、生活者が触り心地を体験できる新しい機会を創出する。これにより、一人ひとりの多様なニーズやライフスタイルに合った化粧品の選択や購入が可能になる世界を目指す。
資生堂 エグゼクティブオフィサー チーフテクノロジーオフィサーの東條洋介氏は「当社は生活者のニーズの変化や多様化、社会の潮流を敏感に捉え、期待を超える価値の創出を追求している。この共同研究は『感覚コミュニケーション』による新たなビューティー体験の創出につながる。この体験が、デジタル化され利便性が上がった社会の裏側で、同時に生活者が感じている孤立感や満たされたいといった気持ちにも応える新しい体験となることを期待している。今後も、当社の強みである感性科学研究を発展させ革新的な体験創出を加速していく」とコメントしている。
この記事は訪販ジャーナル 2024年9月30日号 1ページ 掲載
■資生堂、遠隔・非接触で触感を体験できる技術開発へ■コーセー、顧客の気分をリアルタイムに推定する数理モデルを開発■コーセー、インナービューティブランドを立ち上げ■TPCマーケティングリサーチ、化粧品OEM市場について調査
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