池田物産では、微生物の代謝プロセスをコントロールし、肌に有益な目的物を安定的に得ることができる独自のオイル発酵技術(特許)を有する韓国・ZOE BIO(ゾエバイオ)社が開発した「BIOLIPID」シリーズの提案に注力している。
「BIOLIPID」シリーズの原料は、微生物(カンジタボンビコラ)の発酵過程で生成される様々な代謝産物を含み、発酵に用いる脂質(バター・オイル)の種類を変えることで様々な特性や機能を付与する。
同シリーズで代表的な原料が、ペーストタイプの「BIOLIPID SHEA CB」で、シアバターがバイオコンバージョン(発酵)することで親水性脂質成分が増加し、保水力が向上する。これにより、バターやオイルの持つ重く濃厚でべたべたした感触を軽減し、しっとりとした撫でるような感触を提供する。
同じくペーストタイプの「BIOLIPID FE」は、不飽和脂肪酸由来成分を多く含む米胚芽油に、飽和脂肪酸を多く含むバター状のココナッツオイル(ヤシ油)を加えて発酵させたもので、通常のオイルやバターよりも親水性が高く、乳化を安定させ、肌に心地よい触感を与える。
「バイオコンバージョンで開発されたペーストタイプの2原料は、いずれもエモリエント剤や乳化安定剤、感触改良剤と幅広い用途での使用をおすすめしている」(同社)
「BIOLIPID HBG」は、ひまわり種子油を分解して結合させる発酵プロセスから得られたリキッド状の機能性脂質で、ビタミンCなどの親水性アクティブ原料をカプセル化し、肌への浸透を高める特性を持つ。
「カプセル化にはテクニカルな混ぜ方を必要とせず、溶媒の中に親水性のアクティブ原料を混ぜ込み、BIOLIPID HBGの中に混ぜ込んだものを入れて攪拌するだけで、リポソームより小さなサイズのカプセルを作ることができる。また、両親媒性の性質があるため、W/O製剤の中でセラミドを安定化させることも可能だ」(同社)
この記事は週刊粧業 2024年10月14日号 16ページ 掲載
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