化粧品の安全性・有効性評価試験の受託サービスを提供しているDRCは、「パッチテスト」の付加価値化に向けて、アトピー素因を持つ人を被験者とする敏感肌パッチテストのさらなる品質向上を図るとともに、パッチテストの実施回数を増やして対応を強化する。
同社は6年ほど前から、アトピー素因を持つ人を被験者としたパッチテストを導入し、皮膚バリア機能が弱い敏感肌にも安心して使える化粧品の品質向上をサポートしている。
化粧品販売に必要なステップとしてパッチテストが普及し、製品の安全性に対する意識は高まってきているが、同社は「一方で、メーカーにとってはパッチテストの実施が義務的なものとなり、試験機関にとっては価格競争に陥ってしまっている」と述べ、「有効性評価試験と同様、パッチテストについても製品の安全性を向上させる研究データやマーケティング戦略に活かせるようなサービスとして提供することで、化粧品の高付加価値化をサポートしていきたい」と話している。
DRCの敏感肌パッチテストは「アトピー性皮膚炎の既往歴のある方」「通年でかゆみを自覚している方」など自覚症状のある被験者100名を募集し、採血および皮膚科医師の診察により背部に皮膚症状が発現していない約30名に絞り込んで実施する。被験者の絞り込みでは、血液のTARC値(アトピー性皮膚炎症状の指標)および総lgE値(アレルギー体質の指標)の確認も行う。
「『敏感肌』については、明確な基準はなく、その定義もあいまいであるが、当社の敏感肌パッチテストでは独自に『アトピー素因を有し、アレルギー関連の血液検査値が正常高値域、かつ試験実施時に皮膚炎症状が発現していない』という定義を明確に設定した。皮膚バリア機能が弱い体質の方を集めて皮膚一次刺激性試験を行うので、通常のパッチテストよりもさらに一段階厳しい安全性評価という位置づけとなる。今後も自社で保有するデータベースを活かして新たなサービスの構築につなげていく」(同社)
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この記事は週刊粧業 2024年10月14日号 15ページ 掲載
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