粧業日報 2024年12月4日号 1ページ
カンタンに言うと
コーセーが研究分野を通した社会貢献の取り組みとして支援している公益財団法人コーセーコスメトロジー研究財団(小林一俊理事長)は11月28日、研究助成を行う研究者を表彰・授賞する「第35回表彰・贈呈式」をパレスホテル東京にて開催した。2024年はこれまでの研究助成に加えて、社会的な関心が高まる研究分野への支援を行うべく「細胞のリプログラミングによる若返り研究」をテーマに公募を行い、特定課題研究助成を行うことを決定した。
同研究財団は、多様かつ広範な学際領域に跨るコスメトロジー(化粧品学)に関する研究へ助成を行うことにより、広く生活者の保健衛生の向上を図り、美しく豊かな人間生活の実現に寄与することを目的として、1990年にコーセーの創業者である小林孝三郎氏により設立された。以来毎年、化粧品に関連する幅広い学術分野を対象に、優れた研究に対して助成を行っている。
近年の助成した研究の中でも特に優れた成果をあげた研究者を表彰する「コーセーコスメトロジー奨励賞」として、今年度は大阪公立大学 北山雄己哉氏を表彰した。また、「コスメトロジー研究助成」として、全国の大学、病院、公的研究機関からの114件の応募の中から、選考委員の厳正な審査により選ばれた32名の研究者に対して助成金贈呈を行った。
今年度より、コスメトロジーにおける重要課題である老化に焦点を当て、「細胞のリプログラミングによる若返り研究」をテーマに「特定課題研究助成」への公募を実施。全国の大学や研究機関からの15件の応募の中から、厳正な審査により4名の研究者それぞれに3年間で3000万円の助成を行うことを決定した。
小林理事長、受賞した研究の実用化に期待
式典冒頭で挨拶した小林理事長は、「これまでに財団は、コスメトロジー研究への支援活動を通して、その成果を積み重ねてきた。今年、設立以来の助成件数はちょうど1000件を超え、助成金の累計は15億円となった。化粧品市場に目を向けますと、男性の美容意識の高まりから、『化粧品は女性のもの』という固定観念がなくなりつつある。また、化粧品を使う年齢層も小さな子どもから高齢者まで広がり、今や化粧品は性別や年齢を問わず、一生を通して人々の美容と健康に役立つものになってきた。さらに化粧品は、医療分野とのつながりを持ちながら、その世界を拡げつつある。今回、受賞された皆さまの研究が、コスメトロジーとして新しい成果を生み出され、化粧品に期待を寄せる人々の願いに、近い将来、こたえる日が来ることを祈っている。今後も、美しく豊かな生活の実現、化粧品産業の発展のため、研究助成事業を通して着実に歩みを進めていく」と語った。
続いて登壇した岩橋槇夫選考委員会委員長は、選考経過や受賞課題のテーマの傾向について、「特定課題研究助成は、財団の新しい助成プログラムで、コスメトロジーの分野で、これから発展が期待される研究テーマを、財団が特定して公募するものだ。今年の公募テーマは『細胞のリプログラミングによる若返り研究』であり、財団としても大変挑戦的なテーマになった。今回は、この特定課題に対して15件の応募をいただいた。応募された課題について、独創性、発展性、実用性、コスメトロジーへの波及性、研究計画全体の総合評価を合わせて、厳正公平な審査を行い、最終的に理事会の承認を得て、本日受賞される4件の助成課題を採択した。採択された課題を見てみると、1つの公募テーマに対して、それぞれアプローチが異なる4つの独創的な研究が揃った。いずれも斬新なアイデアと最先端の研究を取り入れたもので、今回受賞される4名の先生方の研究が、若返り研究として新たな潮流となることを期待している。
コスメトロジー研究助成は、例年通り、『素材・物性に関する分野』『生体作用・安全性に関する分野』『精神・文化に関する分野』の3つの分野に分けて募集した。その結果、今年の応募総数は、3分野合わせて114件となった。応募された研究課題について、まず分野ごとに3つの分科会で予備選考を行った。予備選考では、研究課題の独創性、発展性、実用性、コスメトロジーへの波及性に加え、計画全体の総合評価を合わせて、厳正に審査を行った。続いて、予備選考の審査結果に基づいて、選考委員会で候補者を選考し、最終的に理事会の承認を得て、本日受賞される32件の研究課題を採択した。いずれの研究課題も、最先端の科学・技術にコスメトロジーならではの着想を組み合わせたもので、化粧品の科学としての広がりが感じられる大変楽しみな研究テーマだった」と述べた。
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