MP五協フード&ケミカル 脇田社長 、幅広い原料製造と商社機能を融合

C&T 2024年12月16日号 58ページ

カンタンに言うと

  • タマリンド種子の粘度に着目、幅広い意味で研究開発力が強み
  • 営業活動のノウハウを移植、製品倍増で商品知識の向上が課題
  • 製品を増やしながら新事業に参入、ヨーロッパに化粧品原料を普及
MP五協フード&ケミカル 脇田社長 、幅広い原料製造と商社機能を融合

 MP五協フード&ケミカルは食品素材・食品添加物、医薬品原料、化粧品原料、コーティング材料、工業薬品、電子薬剤、その他製品の製造、加工、売買および輸出入を行うメーカー兼専門商社である。幅広い事業領域は、企業統合を行ってきた成り立ちに由来する。23年4月には、メディパルホールディングスの傘下に入った。

 24年10月には食品原料卸のメディパルフーズを吸収合併し、北海道から九州まで一気通貫で食品・化粧品原料を供給する体制が整った。化粧品事業を強化し、製品コンセプトの提案にも取り組んでいる。脇田英充社長に、事業概況や統合によるシナジー創出、成長戦略についてインタビューした。

 ――世界で初めて天然物由来の多糖類「タマリンドシードガム(タマリンドガム)」(製品名:グリロイド(食品)、TAMAVISCO(化粧品))の製造に成功し、60年を迎えられました。現状の市場でのポジションについて、どのようにご覧になっていますか。

 脇田 元々はタマリンドガムが糖と併用することでゲル化するという機能に着目し、ペクチンのように使えるのではないかというところから開発をスタートしました。ペクチンはミカンやリンゴの皮などに含まれ、糖やpHと反応し、ゲル化します。

 それと同じような作用がタマリンドの種子から摂った多糖類にもあるということから、弊社の前身の1つである大日本製薬が世界で初めてタマリンドガムの工業化に成功し、日本生まれの多糖類として発売しました。タマリンドガムは澱粉に似た食感でありながら各種耐性に優れ、澱粉の老化を抑制することもできるため、澱粉の置き換えとしても採用いただいております。例えば、ソースは澱粉を使用していますが、冬場に固まることがありました。それを防ぐ、安定した増粘作用がある多糖類として使われるようになりました。

 現在、アイスクリームやドレッシングをはじめとした様々な用途に使われています。

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