岩瀬コスファが現在提案を強化しているヘアケア原料として、微細藻類により生み出される安定でリッチな液状バイオベースオイル「AlgaPūr HSHO Algae Oil」を紹介する。
同原料は、栗の木の樹液に含まれる微細藻類を利用し、サトウキビの糖分を直接油に変換する工程でつくられている。サトウキビから糖分を取り除いた後に残る茎や繊維などの廃棄物は、オイルの精製や抽出の際に必要なエネルギーとして再利用されるため、全体のプロセスにおける環境負荷低減に寄与している。
さらに、サトウキビは土地の利用効率を高める作物としても注目されている。少量の水で育つため、限られた土地でも効率的に栽培することができ、農業の生産性向上に寄与する。特に、ブラジル産のサトウキビを原料とする藻類油である同原料は、他の油脂作物であるヒマワリ油やオリーブ油に比べて圧倒的に高い油収率を誇る。
「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は、90%以上のオメガ-9(トリグリセリドの形のオレイン酸)を含んでいる。オメガ-9は栄養素が高く、酸化しにくい性質があるため、高い安定性により酸化による劣化や酸化臭の発生を抑えることができる。そのため、製品に使用しても高い品質を保つことができる点がポイントである。
「AlgaPūr HSHO Algae Oil」はスキンケアにおいても優れた効果を発揮しており、UVB照射後のレチノール保護やアンチエイジング、マイクロバイオームへの働きかけなどが確認されている。
一方、ヘアケアにおいては、うねり抑制、枝毛補修、紫外線からの保護、抗酸化作用、カラープロテクション、ツヤの向上、毛髪破断の防止といった多くの効果が期待されている。中でも特に注目すべきは、毛包に対する効果である。毛包は髪の成長を司る重要な部位であり、健康な髪の生成や維持につながる。
in vitroの毛包栄養試験では、栄養不良状態の毛包に対して、0.05%の「AlgaPūr HSHO Algae Oil」、0.05%の「Argan oil(アルガンオイル)」、0.05%の「Coconaut oil(ココナッツオイル)」をそれぞれ添加し、細胞生存率を比較した(図1)。
その結果、「Coconaut oil」は細胞生存率が1.8%減少し、「Argan oil」は細胞生存率が5.3%増加したのに対し、「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は14.4%の増加を示し、細胞生存率が有意に向上したことが確認された。この結果から、毛髪のみならず、頭皮への効果も期待できることが分かる。
そのほか、毛髪破断への効果としては、未処理の毛髪に対して「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は83%高い保護効果を示し、切れ毛防止に優れた効果を発揮した。
枝毛修復についても、「Argan oil」と比較して10%高い枝毛修復効果をもたらしている。縮れ抑制については、高湿度下で8時間曝露した場合にボリュームが62%減少しており、優れた縮れコントロール効果が得られた(図2)。
24時間曝露後も縮れ抑制効果は持続しており、長期的な高湿度環境でも縮れを抑制することが確認されている。さらに、「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は髪の表面に均一なコーティングを施し、未処理の毛髪と比較してツヤが51%向上している。官能評価では、「Argan oil」と同様の滑らかな感触が得られつつ、油っぽさが少ないことが確認されている(図3)。
このように、「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は毛髪破断、枝毛修復、縮れ抑制、ツヤ向上において、いずれも「Argan oil」に匹敵する効果を示している。さらに、「AlgaPūr HSHO Algae Oil」はUV曝露による毛髪の脂質分解を防ぎ、髪質を保護する効果があることが確認されており、ヘアカラーの持続力にも寄与することが期待される。
「AlgaPūr HSHO Algae Oil」は100%植物由来で環境にも配慮された原料である。効果は多岐にわたり、シルキーでべたつきのないテクスチャーや淡黄色で臭いが少ない点も評価されている。
さらに、ほとんどの油剤に対して優れた溶解性を持ち、遊離脂肪酸をほとんど含まないため、目に対しても刺激がないというメリットも持ち合わせている。
同原料はサトウキビ由来の特性を活かし、低い二酸化炭素排出量、少ない土地利用、少ない水消費量といった持続可能性に優れている。環境保全が重視される現代において、このような環境負荷を抑える特長により、ますます需要が高まることが期待される。
この記事はC&T 2024年12月16日号 28ページ 掲載
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