日本色材工業研究所では、中期事業戦略ビジョンで掲げる3つの重点戦略「競争優位にある『強み』製品の強化と拡大」「クリーン・ビューティーへの積極取組」「高収益体質への転換」を推進し、2026年度に連結売上高200億円の達成を目指す。
奥村浩士会長に2024年の振り返りと、コロナからの復活・回復のモメンタムを持続し、さらなる成長を目指す2025年の抱負を訊いた。
――20年を改めて振り返っていただけますか。
奥村 今期(2025年2月期)は、大口受注に加え、2023年後半から引き続き口紅等の新規案件が好調に推移したことが上期業績を大きく押し上げる追い風となった。
コロナ禍で生産ラインの人員縮小を余儀なくされていたが、外注・請負を含めて増産体制を整え受注を大きく回復することができ、第2四半期の連結決算は大幅な増収増益(売上高が前年同期比29.2%増の95億500万円、営業利益が70.9%増の4億8900万円)となった。
これまでは自社で労働人員を抱えて生産していくことを念頭に置いてきたが、それだけでは大幅に回復した受注への対応が難しいことを今期は特に実感した。我々の成長や発展には、やはり外注・請負先との長期的な関係構築が必要不可欠であり、今後もしっかりと取り組んでいく。
また、今期の新たな取り組みの一つが、9月の「国連グローバルコンパクト」への加盟だ。
当社では既に、企業のサステナビリティ活動に関する国際的な評価機関である「EcoVadis(エコバディス)」や、世界最大のサプライヤーエシカル情報共有プラットフォームを提供する「Sedex(セデックス)」に加盟している。
今回の加盟により、海外売上の拡大を基本戦略の一つとする当社が今後、より一層グローバルへと打って出ていくために、グローバル企業として社会的な責任を理解し業務に取り組んでいる姿勢をアピールしていく。
――2025年の抱負をお聞かせください。
奥村 2025年も全社を挙げてグローバルメーカーに向けた営業活動をさらに加速させていきたい。海外メーカーと25年以上の取引実績があり、欧州に工場を持つOEMという強みは我々の宝だと考えている。
ただし、海外一辺倒ではなく、国内のお取引もきちんと成長させながら、国内・海外でバランスのよい売上比率を今後も目指していく。
さらには、国連グローバルコンパクト主催のセミナーに参加することで得た学びを活かして、エコバディスの評価向上にチャレンジする等、サステナビリティに対する取り組みもこれまで以上に推進していきたい。
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この記事は週刊粧業 2025年1月1日号 85ページ 掲載
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