週刊粧業 2025年1月1日号 78ページ
カンタンに言うと
セントラル・コーポレーション(本社=岡山市)は、幹細胞培養液とエクソソームの「由来」に着目し、研究を行っている。「臍帯血由来」幹細胞培養液には、世界的な学術誌「ネイチャー」などで若返りタンパクとして証明されたGDF11が含有されている。
また、エクソソームは「元の細胞の情報を伝達する」という性質があるため、同社では様々な原料の中で「臍帯血由来」エクソソームを採用した。「臍帯血由来」「日本人から培養」が効果を左右し、さらに大きな戦略ポイントとなるという。
笹山博史社長に、今展示会の見どころやポイントについて話を伺った。
――今回の出展内容をお聞かせください。
笹山 化粧品開発展では「必ず売れる」をキーワードに、差別化した化粧品をわずか100個からでもOEM製造できることを強くアピールしていく。
――「差別化した化粧品」とは、具体的にどのようなものでしょうか。
笹山 消費者ニーズは「保護」化粧品から、「改善」「効果」を求める化粧品へと移行している。
最新の医療分野では、「エクソソーム」が注目されており、これを応用した化粧品の研究を当社でも進めている。その最終到達点が、「日本人から培養」した「臍帯血」由来のエクソソームと幹細胞培養液だと考えている。当社ブースでは、その独自原料を配合した化粧品OEMを提案する予定だ。
――エクソソーム配合の化粧品も増えてきているように感じます。
笹山 確かに近年増えてきているが、海外製の脂肪由来がほとんどだ。エクソソームは「情報伝達物質」であり、「どの細胞由来であるか」が、とても重要なポイントだ。
エクソソーム配合化粧品の販売戦略を考える上でも、「どの細胞由来か」「成分の濃度は」といった点はとても大切である。「脂肪由来」は論文数が多いため、採用企業が多いのも理解できる。ただ、「脂肪由来」がこれだけ増えてくると、差別化がなかなか難しくなっているのではないかと感じていた。
一方で、当社のOEM先からは「『日本人由来』の原料が良い」という強い要望もお聞きしていた。
そこで当社ではこのほど、日本のとある研究所と提携し、日本人由来の「臍帯血由来」エクソソーム原料の開発に成功した。日本人由来の「臍帯血由来」エクソソームは、当社の幹細胞培養液研究の1つの到達点だと考えている。
新原料では、全成分表示に「ヒトサイタイ血由来幹細胞エクソソーム」と表示できる。臍帯血由来のエクソソームの表示名称は、日本で初めて当社が登録した。
――「臍帯血」由来エクソソームの優位性は。
笹山 原料メーカーでエクソソームの含有量を測定したところ、69・62pg/mLというデータが確認できた。この数字は、一般的な幹細胞培養液の174倍の数値で、「さすが日本の技術力」といえるだろう。
笹山社長「GDF11』がエイジングケアの歴史を変える」
――化粧品には、「臍帯血」由来のエクソソームを配合すればそれでよいのでしょうか。
笹山 当社では、「臍帯血」由来のエクソソームと、「臍帯血」由来の幹細胞培養液を一緒に配合することをお薦めしている。「臍帯血」由来の幹細胞培養液には、注目のアンチエイジング成分である「GDF11」が、352pg/mLという高濃度で含有されていることを示すデータからだ。
当社で比較したところ、他の由来の原料と比べても圧倒的に高い数値であることがわかっている。様々な由来の原料がある中で、「臍帯血由来」を当社が採用する理由の1つになった。
――「GDF11」の詳細をお聞かせください。
笹山 「GDF11」は、皮膚細胞増殖や皮膚構成タンパク質の合成誘導を介して、老化した皮膚を戻す働きを持つことが確認されており、「若返りタンパク質」などと呼ばれることもある。
世界3大学術誌などと呼ばれる「ネイチャー」「セル」「サイエンス」にも、研究論文が軒並み掲載されるなど、アカデミックな分野でも世界的に注目されている成分といえる。私は「GDF11」こそ、エイジングケアの歴史を変える成分だと考えている。
――エクソソームや幹細胞培養液の安全性については確認していますか。
笹山 当社が扱っているのは、日本人の検体から採取された、正真正銘の国産原料だ。承認された倫理審査判定書に基づき、同意が得られた日本人から採取されている。
HIV(エイズウイルス)やHBV(B型肝炎ウイルス)の検査を含め厳しい検査をクリアした、日本倫理委員会承認済みの細胞リソースを使っている。
――幹細胞培養液コスメを扱う上での注意点をお聞かせください。
笹山 「完全オリジナルの幹細胞化粧品の発売元」になることが、最も重要だと考えている。
当社では「完全独自処方」のエクソソーム化粧品を「100個からでも」製造させていただいている。「100個から」ならば、ほぼノーリスクで、成長する幹細胞化粧品市場に参入することができる。まずは成功の一歩を踏み出していただきたい。
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この記事は週刊粧業 2025年1月1日号 78ページ 掲載
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