週刊粧業 2025年1月1日号 76ページ
カンタンに言うと
化粧品ODM事業を展開するアンズコーポレーションは、「Designed by Value(価値から設計する)」をテーマに「第15回 化粧品開発展」に出展する。
近年の社会ニーズやライフスタイルの変化に着目し、スキンケアの新たな価値創造を目指す展示を行う。その核となる技術が独自の3D皮膚モデルを用いた処方開発だ。
同社は3D皮膚モデルによる処方や成分の機能性を定量的かつ相対比較が可能な独自技術を確立し、エビデンスを軸にした「LTV型ODM」の深化を図っている。
同社は「3D皮膚モデルを用いた独自技術を活用することで、スキンケアにどのような価値を創造することができるのか。具現化したアイテムを通じて一貫したオーダーメイド開発の大切さを伝えていきたい」と話している。
ブースでは、価値から設計するODMとして、「自分ファースト」「ウェルネス・リトリート」「イマーシブ」のキーワードを設定し、開発処方の提案を行う。
今回のキーワードは、前回(第14回)の展示会での来場者の反響を踏まえて選定した。前回は、生活者の美容ニーズやスキンケアニーズを起点にした開発処方をメインに紹介したが、予想以上に反応が良かったのが「フェーズフリー」の価値観を取り入れたスキンケアの開発提案だった。
「災害時にも使えるスキンケアをテーマにしたコーナーに『開発視点が面白い』という評価をいただき、スキンケアに今までとは異なる、新しい価値を求められているニーズも把握することができた。これからの時代や社会に目を向けて『アンズコーポレーションが届けたい価値』に重点を置いた開発処方の展示を行う」(同社)
「自分ファースト」では、「エビデンス・ドリブン」「VS.美容医療」「ファストビューティ」の3つのゾーンで開発処方を提案する。
「若者を中心に、自分らしい生き方やライフスタイルを求めるようになり、消費行動においても自分ファーストの価値を重視する傾向が見られる。毎日使うスキンケアで自分らしさを追求する処方を具現化した。ブースに来ていただいた方と『自分にとって必要なスキンケアとは何か』について一緒に考える機会にしたい」(同社)
「エビデンス・ドリブン」では、「エビデンスの可視化」の新しいアプローチを紹介する。
同社は、3D皮膚モデルを用いて処方や成分の相対評価を行える技術を確立して、エビデンスのデータベース化を進めている。今回、そのデータベースに基づき「処方の偏差値化」を実現した。
「処方の偏差値化を用いることで、エビデンスと実使用時の効果を確認しながら開発を進めることが可能になった。処方の偏差値を上げていくエビデンス・ドリブンな開発を提案していく」(同社)
ブースでは、偏差値の異なる2種類のローションを展示する。今後は、独自の3D皮膚モデルを用いたエビデンス・ドリブン開発でLTV型ODMの確度をさらに高めていく考えだ。
「当社は以前からエビデンス・ドリブンの精神を持って基礎研究を強化し、評価試験を意識的に充実させ、60種類以上の評価系(vivo試験)を保有している。3D皮膚モデルの技術を確立したことでより具体的に提案できるようになった。他社にはない、当社独自の開発体制として、データベースに基づいた処方開発を進めて新たなスキンケアの価値を生み出していく」(同社)
「VS.美容医療」では、美容医療で人気の成分の高濃度配合と、肌へ安心・安全に使える低刺激性を両立したスキンケア処方を提案する。
「ファストビューティ」では、家でも外出先でも手軽にサッと使えるスキンケア開発を提案する。
「タイパ時代を迎え、スキンケアに時間をかけずキレイになることも自分ファーストの価値観として重要な要素になっている。ファストビューティ対応にスティックタイプのスキンケアを提案する」(同社)
「ウェルネス・リトリート」では、日々の忙しさやストレスから解放し、「ココロ」を満たすスキンケアの処方開発に挑戦した。その1つとして「温泉のもつチカラ」をテーマに、温泉水を科学する研究を紹介する。現在、3D皮膚モデルを用いて全国の「美肌の湯」で知られる温泉の成分分析を進め、美肌に最適なミネラルの組み合わせなどを見出している。会場では、現時点の研究成果を活かした温泉水スキンケアを紹介する。
また、クリーンビューティやサステナブルをコンセプトに肌にも環境にもやさしいスキンケア処方も提案する。
「イマーシブ」のゾーンでは、視覚や嗅覚などの五感を楽しみながら、スキンケアへの没入感も味わえる新感覚なコスメの提案を行う。開発を得意とするリップクリームの技術を活かし、2種類の色付きリップを使って自分好みのリップを作る「ニュアンスリップ」や、見た目からテクスチャー、香りにこだわったクレンジングゲルなどをラインナップする。
ブースでは、商談ブースの他にカウンター式の「お気軽席コーナー」を設けて、没入感に浸れる演出も用意する予定だ。
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この記事は週刊粧業 2025年1月1日号 76ページ 掲載
■特集/第15回 化粧品開発展 開催記念特集◎TOA、「たのしい」「おもしろい」「あたらしい」開発製品32品目を展示◎アンズコーポレーション、エビデンス・ドリブン開発の実現でLTV型ODMをさらに深化◎コスメ・ニスト、「3本の矢」で商品開発を全面支援、柔軟な生産とスピード開発に磨き◎セントラル・コーポレーション、日本人由来の「臍帯血由来」エクソソーム配合化粧品を100個からOEM製造◎ジャパ...
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