花王グループカスタマーマーケティング 中尾良雄社長、バリューチェーンの仕組みを刷新

週刊粧業 2025年1月1日号 54ページ

カンタンに言うと

  • 新しい感性マーケティングが奏功
  • 季節変動に耐えられる売場へ、セルフブランド集約にめど
  • プレミアムヘアケアの第3弾を、化粧品は次のステージへ
  • 最大効率を生むバリューチェーンへ、デジタルツールで送客・情報発信を
  • ワントゥワンマーケティングを前進、共同物流でウィンウィンの関係を
花王グループカスタマーマーケティング 中尾良雄社長、バリューチェーンの仕組みを刷新

 花王グループカスタマーマーケティング(中尾良雄社長)は2024年、生活者のニーズに対応した新商品や、気候の変化に対応した売り方の提案などもあり、業績は好調に推移した。ハイプレミアムヘアケアでは、新しい感性マーケティングの実施にチャレンジし、成果を上げている。

 また、中尾社長は、「長期的な視点でメーカー、卸、流通を巻き込み、バリューチェーン全体の仕組みを変えたい」と語る。市場動向や25年度の方針、将来を見据えた流通との取り組みについて、中尾社長にインタビューした。

季節変動に耐えられる売場へ、
セルフブランド集約にめど

 ――直近の市場の動きと業績の推移について、お聞かせください。

 中尾 市場は23年からの値上げモードが続き、単価が上がってその効果で押し上げられています。もちろん、製品の付加価値化が寄与しています。数量は元々、前年割れを予想していました。

 24年のトイレタリー市場は金額ベースで前年比107%程度となっているのに対し、数量は99%程度となっているので想定通りです。我々のアクションとして第1Q(2024年1~3月)はスタートダッシュを計画していました。

 例年、歳末商戦の仕掛けの歪が現れるのですが、1月から好スタートが切れ、春の新製品もしっかり上乗せでき、第1Qは想定通りでした。

 4~6月は23年が猛暑でしたので夏向けのシーズン品の反動が懸念されましたが、前年を上回り、第3Qにかけて計画通りに推移しました。秋から歳末にかけ、春の新製品と秋に出した製品がバランス良く動き、トータルシェアを上げながら着地できる見通しです。想定通りの動きですが、化粧品は一部課題があります。

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