粧業日報 2025年1月15日号 5ページ
カンタンに言うと
化粧品ODM事業を展開するアンズコーポレーションは、独自の3D皮膚モデルを用いた機能性評価技術を基盤に、価値創造型のスキンケア開発を推進する。
山田昌良社長は「スキンケア市場は高価格帯と低価格帯の二極化がより鮮明化してきている。中価格帯スキンケア市場の活性化に向けて、機能性を軸にした『LTV型ODM』の深化を図るとともに、日々のスキンケアに対する期待度や満足度を高めていけるようなサービスの構築・提供も目指していく」と話している。
――直近2期連続で売上は2ケタ以上の伸長率で推移しています。2025年2月期の状況はいかがですか。
山田 25年2月期は前期比110%前後の着地を見込んでいる。本格的なアフターコロナを迎えた中で、特にリップクリームとシートマスクが好調に推移している。低刺激な処方開発技術を活かした高濃度美容液の受注も増えている。
一方で、商品開発はコスト重視と品質重視の二極化がさらに進み、カテゴリーや販売チャネルにおける優勝劣敗も鮮明になってきている。市場環境も変化が見られ、コロナ禍で大きく成長してきたEC・D2C系も薬機法の規制が強化された影響もあり、苦戦しているブランドが出てきている。
リアル店舗では韓国をはじめとする海外コスメの勢いに押され気味だ。市場環境がますます厳しくなる中で、私たち化粧品OEM/ODMも従来のように『要望に何でも応えます』というスタンスは通用しない時代を迎えている。
そこで当社は、独自の3D皮膚モデルを用いることで処方の機能性を定量的かつ相対比較が可能な技術を確立し、エビデンスを軸に生活者の期待に応えるスキンケア処方の開発に取り組んでいる。
今期は品質を重視されて商品開発を行っている会社との出会いもあった。当社の取り組みに興味を持ってくださる会社が増えている。
その期待にしっかりと応えていきたいと思う。現在、新しい3D皮膚モデルとして美白モデルや敏感肌モデルの開発も進んでおり、処方の高度化を図っていくつもりだ。
――来期は設備投資も積極的に進める計画があります。
山田 受注の好調を受けて、省人化の充填ラインを新たに2つ導入して増産体制を整える。また、奈良工場の第二期工事に着手して生産能力の増強を図っていく。
――ODM事業が目指すところは。
山田 スキンケアの価値向上とスキンケア市場の健全な発展に貢献していきたいと考えている。
特に低迷が続いている中価格帯のスキンケア市場で、当社の3D皮膚モデルによる技術を有効活用していく。
中価格帯の低迷は、効果実感のところで低価格帯スキンケアとの違いが得られていないからであり、肌で違いを実感できる高機能なスキンケアを提案できれば、再び中価格帯市場は活性化してくると思う。
ODMではスピード開発も重視される傾向にあるが、当社はスピードではなく、品質にこだわり、生活者への定着率が高く、永く愛される商品開発をこれからも続けて「LTV型ODM」の深化を図っていく。
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この記事は粧業日報 2025年1月15日号 5ページ 掲載
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