渋沢栄一翁、津田梅子女史、北里柴三郎博士。このお三方を新紙幣にと、どなたが候補に挙げ最終的に決定したのか、ぜひ話を聞いてみたいと感じました。誠に理にかなった、国を象徴するお札の肖像だと思います。
戦後の日本の復興に最も貢献したのは、科学・化学ひとまとめにしてサイエンスであったのではないでしょうか。また、それを形づくり、押し上げてきたのが、日本の戦前からの蓄積ともいえる教育の力だと考えております。そして、日本人の勤勉性と貯蓄性向。これらを相まって表そうとしたのが今回の新紙幣の肖像の方たちだと思うのです。
アメリカ型の資本主義が戦後の日本の経済復興を導いたわけでは決してなく、合本主義や同族資本主義が日本の経済復興を支えてきたのは間違いないでしょう。そしてその根幹にあるのが日本の旧教育の賜物だと思うのです。GHQが導入した戦後の6・3・3制やオートメーション化、分業化等による生産効率の向上ではなく、日本の高品質な製品を作り上げてきたのは、明治・大正・昭和初期からの日本気質が基礎にあったからこそだと思うのであります。
これらの国力の蓄積が危うくなってきた今日、今回の3種の新紙幣が今の日本人やこれからの日本の在り方、行く末に警鐘を鳴らしているようにも思えてなりません。そして、新紙幣のお三方の生き様をどう活かしていくかを焦点に置くべきだと思うのです。
新幹線が開業して60年、当時は〈新〉幹線でしたがいまだに〈新〉幹線。いまや「新」は新しい物事を表すだけの言葉ではないと思えます。「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」という言葉があります。昔のことや先人の知恵を学び、新しい事柄について考える、良い言葉ではないでしょうか。そして今、まさにその時ではないかと思うのです。昨今、新しい働き方、新しい商売の仕方が話題になっておりますが、新しさよりも変わらぬことに対しての価値を見直すべき時がきていると感じております。
今の世の中は、新しい政治思考に捕らわれて右往左往しているように見えてなりません。これからは、家族単位や企業単位でしかと理念を掲げ、個人はさることながら、会社も企業哲学を守る決意とともに、コンピューターやAIに決して依存せぬよう信念を持っていかねばならないと思うのです。
この記事は週刊粧業 2025年1月1日号 41ページ 掲載
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