訪販ジャーナル 2025年2月17日号 7ページ
化粧品・医薬部外品OEM/ODMのTOA(本社=大阪市)は、化粧品メーカー4社(小林製薬、サンスターグループ、マンダム、ロート製薬)と研究用ヒト培養組織(ヒト3次元培養表皮)の製造・販売を行っているジャパン・ティッシュエンジニアリング(通称=J-TEC)との共同研究で、安全性評価項目の1つである「皮膚刺激性試験の代替法」のデータ拡充や試験条件の充実化に取り組んでいる。
その共同研究成果については、2024年11月29~12月1日に開催された日本動物実験代替法学会第37回大会にて発表し、大会長特別賞を受賞した。
研究成果の創出には、日本動物実験代替法学会が主催する「第8回 化粧品等の安全性確保を目的とした試験法評価に関する研究助成金」を受けている。また、アドバイザーとしてコーセー、一般社団法人SSCI-Net(皮膚安全性症例情報ネット)、日本化粧品工業会も参画して議論を重ねたという。今後も共同研究の試験結果や知見をデータベース化し、公表していくことで、試験法ガイドラインの改定など化粧品業界の発展に寄与していく考えを示している。
化粧品・医薬部外品の安全性試験では、厚生労働省から発出される医薬部外品ガイダンスなどに示される公的な評価法を利用することができる。皮膚刺激性の評価においては、厚労省より昨年4月に発出された「医薬部外品・化粧品の安全性評価における皮膚刺激性評価体系に関するガイダンスについて(薬生薬審発0422第3号)」が利用可能だが、利用できる医薬部外品・化粧品成分は限定されており、情報がまだ少ない。6社による共同研究は、評価可能な成分の適用拡大を促すガイドライン改定に貢献する取り組みとして、化粧品業界で注目を集めている。
今回の研究では、J-TECのヒト3次元培養表皮「LabCyte EPI-MODEL24」を用いて、以前実施した16成分のうち6成分と新たに18成分を加えた24成分について、より詳細な刺激性データを取得した。
再構築ヒト表皮を用いる試験法ガイドラインOECD TG439は、原料が誤って皮膚に付着した場合の評価を主目的とし、未希釈成分の評価を想定している。そのため、成分を希釈した際の試験条件などについては言及されておらず、ガイダンスにおいても希釈することは認められていない。また、成分を希釈した際に非刺激性となった濃度を見出しても、最終的に皮膚刺激性として適用可能な濃度設定の考え方が明確でないことも課題となっている。
今後もガイダンス改定に貢献できるデータの提供を進めていく考えで、現在はOECD TG439の後に実施するヒトパッチテストを協力機関の協力を得て、動物実験代替法による試験結果とヒトによる試験結果の相関性を確認しているという。今後は2つの試験を組み合わせてデータを取得・拡充し、ガイダンス改定に貢献できるデータの提供を進めていく予定だ。
この記事は訪販ジャーナル 2025年2月17日号 7ページ 掲載
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