粧業日報 2025年2月5日号 1ページ
カンタンに言うと
資生堂は、独自開発の美白有効成分4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)の皮ふ浸透性を高める「4MSK/フリュイド浸透促進技術」を開発した。
この技術は、常温で固体の4MSKを他の成分と組み合わせることで液体化し、肌に塗布した後も液体(フリュイド)状態を持続させる技術で、これにより4MSKの皮ふへの浸透量が増加し、美白効果が高まることを確認している。
なお、研究成果の一部は「第32回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)ロンドン大会」(2022年9月19~22日)にて発表し、その後IFSCCマガジン(2023)へ寄稿した論文は、若手研究員に贈られる「Henry Maso Award for 2024」を受賞した。今後は、この新たな浸透促進技術を応用し、浸透性に優れ、高機能で安全・安心なスキンケア製品を開発していく。
同社は、生活者の「明るい肌」への憧れに向き合うべく、1990年代より美白有効成分を次々と開発し、配合した製品を数多く世に送り出してきた。しかし近年、美容医療市場が拡大するなど、明るい肌を叶える手段が多様化する中、安全でさらに効果の高い美白化粧品、医薬部外品の開発のためには美白有効成分の浸透を高める技術の強化が課題であると考えた。
この課題に取り組むべく、化学分野で注目される「イオン液体」に着目した。イオン液体は融点の高いイオン性の物質同士を組み合わせることで、元の物質の融点より低い温度で液体になる新しいタイプの液体であり、常温で固体の4MSKを他の物質と組み合わせイオン液体化ができれば、肌上でも液体の性質を持続させることが可能になると考えた。そこで、4MSKと組み合わせることで液体化する物質の探索を進めることにした。
4MSKと組み合わせる物質やその組成の検証を100通り以上で行った結果、保湿成分トリメチルグリシンを最適な配合比率で組み合わせることで4MSKが液体化することを見出した。この配合比率で2つの成分を基剤に配合すると、4MSK単独で基剤に配合する場合と比べ、4MSKが皮ふへ約2倍浸透することを確認し、この技術を「4MSK/フリュイド浸透促進技術」と名付けた。
「4MSK/フリュイド浸透促進技術」の効果を3次元培養皮ふモデルで検証したところ、4MSKのメラニン生成抑制効果を高める効果があることがわかった。また4MSKにはメラニンが蓄積した角層の剥離を促進する効果があるが、この技術を用いることで、その効果を高める可能性があることも示唆された。
この記事は粧業日報 2025年2月5日号 1ページ 掲載
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