ファンケル、柔軟性を持つコラーゲン線維を生み出す効果を発見

訪販ジャーナル 2025年2月10日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 「加水分解コラーゲン」や「ビタミンC誘導体」の追加でダメージから回復
ファンケル、柔軟性を持つコラーゲン線維を生み出す効果を発見

 ファンケルは、シワやたるみのメカニズムの解明の1つとして、皮膚の弾力を維持する役割を持つコラーゲンについて、加齢や外的刺激によるコラーゲン「量」の減少と、形などの「質」の変化に着目して研究を行っている。

 今回、紫外線のダメージによってコラーゲン線維の柔軟性が失われ、質の悪いコラーゲンを生み出す細胞に、「加水分解コラーゲン」や「ビタミンC誘導体」を加えることで、柔軟性が失われず、本来の柔軟性を持ったコラーゲン線維を生み出す効果を発見した。今回の研究結果を踏まえ、加齢や紫外線によるダメージに影響されず、柔軟性を持ったコラーゲン線維を生み出すことで、シワやたるみを防ぐという新しいアプローチが期待される。

 研究では、皮膚の線維芽細胞に紫外線のUVAを照射した後、数日間培養してコラーゲン線維を作り出し、コラーゲン線維の柔軟性を計測した。 その結果、紫外線照射によるダメージを受けた細胞から生み出されたコラーゲン線維は、ヤング率が紫外線ダメージのない細胞に対して3倍以上も増加しており、柔軟性が失われていることがわかった。

 続いて、柔軟性を失った質の悪いコラーゲン線維を産み出す細胞を、柔軟性を持ったコラーゲン線維を産み出す状態に改善するための化粧品素材を探索した。その結果、紫外線ダメージを受けた細胞に対し、「加水分解コラーゲン」と「ビタミンC誘導体」を加えることで、生み出したコラーゲン線維のヤング率が、紫外線ダメージを受けていない場合と同程度になることがわかった。このことから、この成分の組み合わせにより、紫外線ダメージを受けても柔軟性を持った質の良いコラーゲン線維を生み出せることが示唆された。

 さらに、「加水分解コラーゲン」単体でも、紫外線ダメージを受けた際に生み出すコラーゲン線維の柔軟性に対する効果を検証した。その結果、「ビタミンC誘導体」の併用時と同様に、生み出したコラーゲン線維のヤング率が、紫外線ダメージを受けていない場合と同程度になることがわかった。このことから、紫外線ダメージを受けても「加水分解コラーゲン」単体を細胞に加えることで、柔軟性を持った質の良いコラーゲン線維を生み出す効果があることが示唆された。

 今回の研究で得られたコラーゲン線維の柔軟性を評価する方法は、同社の肌本来の機能を高めるコラーゲン研究をさらに進化させるものであり、実際に日光を浴びた皮膚内部で起こり得る変化や化粧品素材による改善効果が確認できたことは、コラーゲン線維の柔軟性を維持してシワやたるみを防ぐという新しいアプローチにつながることが期待される。

 今後もさらにコラーゲン研究を進め、コラーゲンの柔軟性を含めた「質」に着目した新しいコンセプトのアンチエイジング化粧品の開発に活かしていく。

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