週刊粧業 2025年3月24日号 4ページ
カンタンに言うと
化粧品業界に特化したコンサルティング会社のソフィアリンクスではこのほど、三原誠史代表が第15回 化粧品開発展の特別講演に登壇し、「ブームを超えた脅威!日本市場に浸透する韓国コスメの最新動向」と題して講演を行った。
反響の大きかった本講演の主な内容について、今回改めて三原氏に話を伺った。
――まずは、日本市場における韓国コスメの浸透状況についてお聞かせください。
三原 2000年代初頭にドラマ「冬のソナタ」が日本で放映され、第1次韓流ブームが起こった。第1次韓国コスメブームはこの時期と一致し、BBクリームが日本市場にない全く新しいカテゴリーのコスメとして女性誌で連日取り上げられ、新たなファンを獲得した。
その後、2010年代初頭に第2次韓国コスメブームが起こり、シンボリックなアイテムとしてクッションファンデーションが登場した。当時の日本では、第2次韓流ブームとしてKARAや少女時代などのK-POPグループが日本に進出し、その後の第3次韓流ブームを牽引するTWICEやBTSが日本で活躍する確固たる礎を築いていった時期と重なる。
そして、2021年頃に起こった第3次韓国コスメブームでは、それまであまり注目されていなかったCICA成分に多くのユーザーの関心が集まり、現在もCICAを配合した製品が市場で注目され、これはもはやブームと言えるものではなく、日本市場に定着したK-Beautyというジャンルが巻き起こすムーブメントといっていい状況になってきた。
第3次韓国コスメブームと時を同じくして、2020年から起こった第4次韓流ブームでは、「愛の不時着」や「イカゲーム」がNetflixで世界的ヒットとなり、映画業界では「パラサイト」がアカデミー賞を受賞するなど、韓国のエンターテイメントが世界を席巻する時代を迎えている。
エンターテイメントの世界と同様の現象がまさに今、世界各国の化粧品市場で起ころうとしている。まさにブームを超え脅威といえる状況になってきている。
日本市場に韓国コスメがどれほど浸透してきているのか、その状況が最も端的に現れているのが日本における化粧品の輸入額の推移だ。
2010年代初頭ではフランスが約500億円で、それに次いでアメリカは400億円となり、韓国の約100億円を大きく上回っていた。しかし、第3次韓流ブームが始まる2016年頃から急速に輸入額を増やし、2022年にはフランスを抜いて1位に躍り出た。2013年から僅か10年足らずの間に7.4倍もの成長を遂げ、1000億が射程に入っている。
この圧倒的な数字を目の当たりにし、今後の日本市場において脅威として捉えるべきターゲットは韓国コスメといえる。
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