日本色材工業研究所では、「クリーン・ビューティー」を基本路線とし、使用する原料に制約がある中で機能性と安定性に優れた自然由来指数の高い口紅や、水溶性のスキンケア成分を約40%配合したタルクフリーのルースパウダーなど、付加価値の高いメークアップの開発に強みを持つ。
研究開発本部長の南孝司常務取締役によると、同社では2000年頃から国内でもいち早く自然由来指数の高い口紅の開発に取り組んできたという。
「国内では当時、スキンケアのカテゴリーで自然派や無添加をコンセプトにしたアイテムがあったが、ポイントメークの領域ではあまりニーズがなかった。一方で、海外ではナチュラルな成分で作られたアイテムを要望されるお客様が徐々に多くなり、それに応える形で技術レベルを高めていった」(南氏)
自然由来指数の高い口紅を開発するにあたり、基材で用いる植物由来ワックスは、経時での匂い変化や、発汗(表面に油分が染み出す現象)に注意する必要がある。さらには、量産時に硬度がバラつくといった量産品質での課題があったという。
「開発当初は植物由来ワックスの種類に限りがあったが、その後植物由来ワックスのバリエーションが広がったため、ロットのバラつきをクリアする安定性に優れた処方開発に努めてきた。地道に取り組みを続け、今では自然由来指数が高いだけでなく、塗布後に密着ジェル膜を形成する『ジェル膜リップ』といった、付加価値の高い口紅を提供できるまで技術力が向上している」(南氏)
水溶性のスキンケア成分を約40%配合したタルクフリーのルースパウダーは約15年前に開発し、化粧直しをしながらスキンケアができるアイテムとして近年、引き合いが増えているという。
「水分の気密性が高く、コストが手頃な新しいコンパクト容器との組合せによって品質を向上させることができた。タルクフリーへの注目が高まっていることもあり、日本市場でも採用が広がってきている。皮膚水分量が増加するというエビデンスデータの取得も進めていく。今後もクリーン・ビューティーを基本路線として、プラスアルファの価値をお客様にご提供していきたい」(南氏)
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この記事は週刊粧業 2025年4月7日号 22ページ 掲載
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