三菱商事ライフサイエンス、発酵技術を活用したトルラ酵母由来のリン脂質を主成分とする新原料を紹介

週刊粧業 2025年5月12日号 18ページ

三菱商事ライフサイエンス、発酵技術を活用したトルラ酵母由来のリン脂質を主成分とする新原料を紹介

 三菱商事ライフサイエンスは、第12回化粧品産業技術展(CITE JAPAN 2025)にて、発酵技術を活用したアップサイクル化粧品原料「ファルベレ」シリーズの第3弾の製品となる、「セラドリップ」を中心に紹介する。

 同商品は、調味料用エキス抽出後のトルラ酵母残渣(未利用資源)より抽出されたリン脂質(シベルリンドネラリン脂質)を主成分とする、2025年2月発売の新規原料だ。

 同社ではこれまで60年にわたり、主に調味料や健康素材(NMN、グルタチオンなど)の製造にトルラ酵母を活用し、研究開発を進めてきた。 

 セラドリップは、トルラ酵母の細胞壁からシベルリンドネラリン脂質(極性脂質(リン脂質)90%・非極性脂質10%)を抽出し、それをペンチレングリコールとBGで液体化した原料だ。ペンチレングリコールとBGで溶解しているため原料安定性が高く、処方(水相・油相)への配合が容易で、ジェルや化粧水、クリーム、乳液などスキンケア化粧品全般に配合できるという。

 「リン脂質原料は一般的に固体が多く、液体のものは珍しい。また、人の体内で合成することができず、外部より摂取する必要がある必須脂肪酸α-リノレン酸を、リン脂質型として豊富に含んでいる点も特徴的だ。親水基と親油基を有するリン脂質型で存在するため、α-リノレン酸と水分を肌に引き込む力に優れている」(岡田浩治化粧品事業部営業部長)

 α-リノレン酸には抗炎症効果があり、美白素材としても知られるリノール酸の過剰な酸化による炎症を抑える作用もある。α-リノレン酸とリノール酸の両方を含むセラドリップは、肌に弾力やハリを与え、シワや赤みを改善するといったデータが確認されている。

 セラドリップ0.5%配合水溶液の単回塗布では、即時的に肌の柔らかさとハリ・弾力が向上した。

 「1回の使用でも効果実感の高い原料で、28日間の臨床試験でも肌の柔軟性改善などが確認されている。アンケートでも約7割の方が、肌のハリや顔や目もとのかさつきが改善したと回答している。酵母由来原料は独特の酵母臭があるが、セラドリップは独自の脱臭精製技術により臭いを抑制しており、液体原料なので非常に使いやすい。幅広い処方系でも、肌の弾力や保湿力を高めることが期待できる」(岡田氏)

 この原料はドイツの化粧品コンサル会社が主催するBSB Innovation Award 2025にて、昔ながらの発酵技術を用いながら高い技術で原料が抽出され、併せて美容効果が確認できる点が評価され、機能性原料(リン脂質・コラーゲンブースター・ピーリング)部門で第1位を受賞している。

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