天然グリセリンの専業トップメーカーで、RSPOサプライチェーン認証取得企業である阪本薬品工業では、持続可能なパーム油利用に配慮した製品の供給体制を整え、グリセリンからポリグリセリン脂肪酸エステルなどの各種誘導体までを一貫して製造・販売している。
今回のCITE JAPANでは、100%植物由来のグリセリンをベースとしたポリグリセリンとポリグリセリン脂肪酸エステルに、加熱不要のコールドプロセス製法と、同社が強みとするジグリセリンの感触調整技術を掛け合わせ、素材だけでなく技術もサステナブルで、優れた安定性と使用感を両立した「O/W乳化システム」を新たに提案する。
互いに溶け合わない油相と水相を均一に分散させるためには、ステアリン酸グリセリルをはじめとした熱を加えて溶かす固体の乳化剤を添加し、加熱・攪拌して安定化させるのが一般的だ。
それに対し、コールドプロセス製法による乳化方法は、エネルギー消費量を抑制してCO₂削減に貢献する環境にやさしい乳化プロセスだが、一般的な乳化方法と比較すると使用できる乳化剤に制限があり、熱を加えずに攪拌するため微細な乳化物を調製しにくい。
また、水溶性高分子を併用して増粘させる必要があり、これによってベタつきが出て感触が悪化してしまうといった課題もあった。
そこで同社ではこのほど、ジグリセリンの添加により水溶性高分子のベタつきを抑制し、さらにD相ゲル乳化の手法を応用したコールドプロセス製法によって、加熱することなく微細な乳化物の調製を可能にした新たなO/W乳化システムを開発した。
今回のCITEでは、同社が製造・販売する植物由来のグリセリン脂肪酸エステルやポリグリセリンを組み合わせた新たなO/Wシステムを用いてエネルギー消費量を抑制し、乳化剤だけでなく増粘剤を含めて全て植物由来の原料で構成された、サステナブルと使用感を両立した乳液をブースで実際に展示する。
「1つ1つの素材や技術自体はこれまであったものだが、これらを掛け合わせたシステム全体をパッケージにした今回のような提案はこれまでにない新たな取り組みだ。今回のCITEでは、コールドプロセス製法でありながらも使用感が良好で、素材だけでなく製造プロセスも環境に配慮し、サステナブルと使用感を両立した全く新しい乳液の処方例をメインで紹介する。現在は新たな乳化システムを応用して乳液だけでなく、クリームやファンデーション、サンスクリーンなど別のアイテムへの展開も進めている」(同社)
ブースではこのほか、ポリグリセリンの保湿剤やポリグリセリンエステルの可溶化剤とW/O乳化剤、ポリグリセリン脂肪酸エステルのオイル増粘ゲル化剤、天然抗菌製剤を紹介する。
この記事は週刊粧業 2025年5月12日号 17ページ 掲載
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