カンタンに言うと
1927年の創業で化粧品・食品の原料や香料、美容健康食品の輸出入事業を展開する池田物産では、化粧品産業技術展(CITE JAPAN)に2003年の第1回から出展を続けている。
12回目となる今回は、サステナブルやアップサイクルなどの最新トレンドにフォーカスした多彩な機能性原料の基礎データを紹介するだけでなく、同社のR&Dセンターで長年にわたって蓄積してきた溶解性・相溶性データをはじめ、原料の使い方から活用方法など精度の高い付加価値情報も盛り込んだ展示を行う。
出展の狙いと今展示会の主な見どころについて、池田隆彦社長に話を伺った。
――まずは、出展の狙いをお聞かせください。
池田 第1回に出展した頃とトレンドが大きく変化しており、昨今では持続可能な社会の実現に向けて環境負荷の少ない化粧品原料へのニーズが高まっている。
今回は、我々の取扱原料で新しくラインナップに加わったサステナブルやアップサイクルを訴求した新規原料を紹介するともに、その原料の効能・効果を最大限に発揮する最適な組み合わせ方法など、お客様の処方開発サポートに付随する周辺情報も併せて提供していく。
特に化粧品原料の場合、個々の原料の機能性が高くても、様々な原料と組み合わせる過程において、その相性が重要なポイントになることが多々ある。今展示会では、R&Dセンターで取得した溶解性や相溶性のデータなど、当社が強みとする研究力を活かした原料提案をしっかりとアピールしていきたい。
ブースではこのほか、目もとケアのアイテムが「あればいいもの」から「スキンケアの必須アイテム」へと変わり、市場が年々大きくなってきていることから、新たな試みとして目もとケアの部位にフォーカスした展示を行い、クマをはじめ、シワやアイバック、たるみにアプローチし、目もとのトータルケアを叶える最新原料なども紹介する。
――どのような原料が見どころになりますか。
池田 今回は、出展者技術発表会でそれぞれ講演を行う5つの輸入原料を中心に紹介する。
まず1つめは、紫外線吸収剤「パルソール」(DSM社)シリーズの中から、この1~2年で新しくラインナップに加わった高いUVA防御能を持つ「DHHB(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)」と、高いUVB防御能を持つ「EHT(エチルヘキシルトリアゾン)」の2原料を提案する。
粉末の油溶性紫外線吸収剤は難溶性のため、処方への配合には溶解性や相溶性を考慮する必要がある。また、海外では地域ごとの規制によって配合上限が異なるという課題もある。
今展示会では、当社で取得した配合上限の異なる様々なパターンの溶解性・相溶性データとともに、実際に併用する各種紫外線吸収剤や油剤との最適な組み合わせを紹介し、お客様のスムーズな処方開発をサポートする。
2つめは、シーバックソーン(スナジグミ)から超臨界CO₂を用いて抽出した100%天然由来の油溶性成分「アイグロリアス」(ガテフォッセ社)だ。組織に埋め込まれた小さな血管を通る血流である「微小循環」に着目して開発された目もとケアの原料で、毛細血管の構造を強化して白血球や赤血球、血漿の血管外遊走を抑制することで微小循環を回復し、クマやアイバックを改善する。
3つめは、石油由来のワセリンに代わる新しい選択肢として、植物由来エステルの複合材からなる100%天然由来のエモリエント剤「ボタニデザイン」(カーギル社)を提案する。ボタニデザインは、ワセリンと同等の閉塞性や皮膚バリア保護の特性をもち、高保湿・高密着のリッチな使い心地を付与する。生分解性に優れ、溶剤を使用しないソルベントフリーの環境に配慮した高機能かつサステナブルな原料だ。
4つめは、オランダビユ(バブチの種子)から抽出した高純度のバクチオールを含むエキスで、シワ改善や肌のハリ向上が期待できるレチノール代替成分「シテノールA」(シセオン社)だ。シセオン社の高い精製技術により、レチノールと同等のアンチエイジング効果がありながらも皮膚刺激などの副作用が低く、安全性が高い。さらに、バクチオールとしては初めてNMPAに登録され、中国への輸出が可能な点が他社のバクチオールと比較して大きなアドバンテージとなっており、引き合いが高まっている。
5つめは、天然油脂を微生物の代謝プロセスによって発酵油脂へと変換する独自技術を有するゾエバイオ社が開発した、従来の油脂系原料にはない保水性や特有のテクスチャーを持つ機能性原料「BIOLIPID」シリーズと、植物由来の発酵オイル色素「U-ferment Oil」をブースで紹介する。
この記事は週刊粧業 2025年5月12日号 11ページ 掲載
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