週刊粧業 2025年5月12日号 7ページ
カンタンに言うと
化粧品ODM/OEMの国内大手である東洋ビューティ(本社=大阪)は、「第12回 化粧品産業技術展」にて、「フェムケア分野に向けた製剤提案」「独自原料(ビタミンC誘導体Funcos C-IS)の活用技術」「グローバル市場に向けた製剤提案」の3つをテーマに化粧品製剤を紹介する。研究開発・技術開発力とともに、グローバルトレンドを捉えたマーケットイン型の開発製品も紹介していく。
同社は今年1月に「企画マーケティング戦略本部」を新設しており、マーケティング機能を活かした製品開発体制に期待が高まる。「より多くの企業にODMパートナーとして東洋ビューティを選んでいただくためのきっかけづくり」を目指し、ブースでは30品目以上のアイテムをラインナップする。
研究開発本部 製品開発統括部第2製品開発部・第7製品開発グループリーダーの衣笠凌氏と、先端技術統括部基盤技術開発部・機能性評価グループリーダーの中村睦子氏に展示会の見どころを聞いた。
同社は、国内2研究所・4工場体制で、企画・処方開発から製造までの一貫生産により高品質な製品の供給を実現する。
近年は、女性の美と健康をサポートする企業として、フェムケア分野の研究にも力を入れており、製剤開発が進む。
フェムケア研究は、妊娠・出産、更年期など女性のライフステージ毎の健康課題や悩みに着目し、業界に先駆けて取り組みをはじめた。フェムケア関連の展示会(Femtech TOKYO)にも第1回(2022年)から出展し、ODM提案を強化している。
これまでの研究成果として、女性ホルモンとストレスホルモンの2つのホルモンに着目し、独自の美肌セオリー(Wホルモンアプローチ)を確立してスキンケア製剤の開発に応用している。
また消費者の想いに応えるフェミニンゾーンケア製剤の開発も進めている。評価面では、膣粘膜上皮モデルを用いた安全性評価の試験方法を確立した。現在はリーブオン(洗い流さない)製剤を中心にさまざまな剤型のラインナップを拡充している。
CITE JAPANでは「フェミニンゾーンについての女性の価値観や悩みなどを深く理解するために実施した調査や、展示品のユーステストを含む様々な評価データも紹介する。このほかにも、PMS(月経前症候群)やメノポーズ(更年期)など女性のさまざまな悩みに応えるアイテムも展示していく」(中村氏)。
展示ブースでは、独自原料の両親媒性ビタミンC誘導体「Funcos C-IS」の活用技術も紹介する。
近年、ビタミンC配合化粧品の需要拡大で市場競争が激しくなっていることから原点回帰で、「『Funcos C-IS』の機能を見つめ直し、活用技術を進化させた」(中村氏)。
ビタミンC誘導体配合化粧品では、高濃度配合など処方設計の自由度の高さから、安定性の高いビタミンC誘導体の需要が高まってきている。一方で、ビタミンCは美容成分として高い知名度を示すが、誘導体にはそれぞれの特徴があることは消費者に注目されにくい一面もある。
同社は「Funcos C-IS」独自の特徴をまだ十分に伝えきれていないと考え、「『Funcos C-IS』のポテンシャルを最大限活かすことを目指して処方設計を進めた」(衣笠氏)。
今回、「Funcos C-IS」製剤の高付加価値化を推進するとともに、バリエーション拡充に挑戦した。独自開発したビタミンC誘導体だから知り得る強みを活かし、肌への効果を高めた処方設計も実現した。
日常的に受けるさまざまなストレスは、肌でも炎症反応の引き金になる。同社は、「Funcos C-IS」が、紫外線による炎症を抑制する効果を持つことを新たに見出した。敏感肌市場に向けて、ビタミンC誘導体配合製剤として開発した各種製剤を展示する。
今後も製剤設計力や基礎研究力の強化に注いで、「『Funcos C-IS』をキー成分にした製剤バリエーションを増やし、独自のビタミンC誘導体配合化粧品の高機能化・高付加価値化を進める」(衣笠氏)考えだ。
また、グローバルメガトレンドを踏まえた製品開発も披露する。マーケットイン型の処方開発では、世界のビューティトレンドや生活者ニーズを捉えた企画と、自社の研究開発・技術開発力を掛け合わせて新しい価値の創造を目指している。
その一環として、「グリチルリチン酸ジカリウム」や「ビタミンE誘導体」などを用いた界面活性剤フリーの製剤化技術を確立した。このコンセプトの製剤は、アジア最大規模の展示会(COSMOPACK ASIA 2024)においても評判を呼び、高い評価を得ており、「国内だけでなく、海外市場の開拓・深耕にも有効な製剤を紹介していく」(衣笠氏)。
この記事は週刊粧業 2025年5月12日号 7ページ 掲載
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