粧業日報 2025年5月19日号 3ページ
カンタンに言うと
牛乳石鹸共進社総合研究所は、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科・満倉晴恵教授の研究グループとの共同研究から、遊びに「泡」を取り入れることで「幸せホルモン」として呼ばれる「オキシトシン」が増加することを発見した。
オキシトシンは、喜びや愛情などの感情形式に関わるホルモンの一種で、オキシトシンを形成する感性として「ストレスを低下させること」「集中力を上げること」「興味をもつこと」「好きになること」「心が穏やかであること」の5つが重要といわれている。幼少期の愛情形成は、大人になってからの人格形成にも影響することがわかっている。
今回の共同研究により、子どもが泡を使って遊ぶと、喜びや愛情などの感情形式をより高め、健やかな心の発達をより効果的に促進すると考えられるという。
同社は、重篤な病を抱える子どもとその家族が利用するTSURUMIこどもホスピス(大阪市)を支援しており、ホスピスの子どもたちが笑顔で泡プール遊びを楽しむ様子をきっかけに、泡遊びの感情への影響を考察し、科学的に可視化する検討を開始した。倉晴恵教授の研究グループはリアルタイムで感性計測ができる装置「感性アナライザ」を持ち、共同研究では、子どもが泡で触れることによる感情や情緒への影響について科学的に検証を行った。
効果測定は、まるのキンダーガーテン(宮崎県都城市)の協力を得て、健康な5歳児20名に30分程度泡プールで遊んでもらい、泡プールで遊ぶ前後の唾液採取によるオキシトシンの量を測定した。また、感性アナライザを用いてオキシトシンの分泌を促す感性「好き・興味・集中・沈静・ストレス」の5項目を測定し、数値化した。
子どもの平均オキシトシン量は100~150pg/mLといわれている。子ども20名のうち特に変化のあった子ども(オキシトシン量121pg/mL以上)の場合、オキシトシン量は遊ぶ前に比べて110.7%上昇した。感性5項目では、「興味・沈静」の2項目に影響を与え、興味の上昇と沈静化という現象から子どものやる気が上がり、遊びに没頭していることが推察された。また、園庭でのかけっこなど通常の遊びとの比較でも、泡プール遊びの方が高い上昇率を示すことが確認できた。
以上の結果から、遊びに泡を取り入れることで、喜びや愛情などの感情を育み、子どもの健やかな心の成長をより効果的に促すことが認められた。
今後の共同研究では、泡やお風呂でのコミュニケーションの有用性を探求していくという。
この記事は粧業日報 2025年5月19日号 3ページ 掲載
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