岩瀬コスファ、肌の各層にアプローチする複合型エイジングケア

C&T 2025年6月16日号 34ページ

岩瀬コスファ、肌の各層にアプローチする複合型エイジングケア

 岩瀬コスファは、エイジングケア分野において「Argireline Amplified peptide(アルジレリンアンプリファイドペプチド)」(アルジレリンはルーブリゾール社の登録商標)の提案を強化している。「アルジレリンアンプリファイドペプチド」は、優れた活性と筋弛緩作用を備えた「Argireline peptide(アルジレリンペプチド)」を進化させたペプチドで、加齢に伴って生じる肌の変化に対し、複数の層から働きかける。

 表情ジワをはじめとする老化は、30代頃から現れ始め、皮膚のすべての層に影響を及ぼす。表情ジワの主な原因は、顔の筋肉の収縮によって繰り返される動きである。加齢とともに皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンの量が減少するほか、筋肉の収縮後に弛緩するまでの時間も長くなるため、シワがより深く、目立つようになる。また、近年、老化細胞(セノリティクス)への関心が高まっているが、老化細胞は炎症誘発性成分の混合物であるSASPs(Senescence-associated secretory phenotypes)を放出することで隣接細胞の老化を誘導することが知られている。

 「アルジレリンアンプリファイドペプチド」は、こうした老化の原因に対して複合的にアプローチする。SASPsの原因となるNF-κBの活性を予防することで、周囲の細胞の老化進行を抑制。また、炎症性サイトカインTNF-αによって誘導されるIL-6の放出抑制や、新しいコラーゲンの合成促進、加齢に伴い低下する表皮バリア機能に対しても、機能不全を抑制する作用が確認されている。

 今回、新たな試験データにより「アルジレリンアンプリファイドペプチド」には、ボツリヌス毒素注射(ボトックス)の効果を持続させる作用があることが確認された。従来の「アルジレリンペプチド」はボトックスと同様の働きを持つペプチドとして提案されてきたが、「アルジレリンアンプリファイドペプチド」はそれに加えて、実際にボトックスを受けた肌に対してその効果を持続させることができる点が特長である。評価試験では、35~60歳の白人男女45名を対象に、目尻・眉間・額にボツリヌス毒素A型50単位の注射を実施し、1日2回、顔全体に5%アルジリンアンプリファイドペプチド配合クリームまたはプラセボクリームを塗布した。4カ月後、マクロ写真による解析にて、額、眉間、目尻のシワ領域におけるシワの視認係数を測定したところ、5%アルジリンアンプリファイドペプチド配合クリームを使用したグループでは、ボトックスの効果が平均8週間持続していることが確認された(図1)。ボトックスは通常、注射から2週間程度で効果のピークを迎え、1カ月後には効果が薄れ始める傾向にあるが、「アルジレリンアンプリファイドペプチド」を日々のスキンケアとして併用することで、ボトックスの効果持続性が高まることが明らかになった。


 近年、ミニマリズム志向が進む中で、少量で複数の効果を発揮する製品の需要が高まっている。「アルジレリンアンプリファイドペプチド」は、肌を構成する複数の層に対して包括的に働きかけるため、「ミニマリズム」や「シンプル化」といったトレンドにも対応する多機能性を備えている。具体的には、表皮ではバリア機能の低下、真皮ではハリの低下やシワの出現、脂肪組織ではボリューム減少、筋肉では物理的な支持力の低下、ニューロンでは表情ジワの増加などに対して、各層でアプローチする(図2)。基本的なスキンケア効果も併せ持つことから、単なるエイジングケアにとどまらず、シンプルなスキンケアを志向する処方設計にも適している。

 ミニマリズムの考え方は、環境への負荷を低減することにもつながる。「アルジレリンアンプリファイドペプチド」は、天然由来ペプチドで自然由来指数が99.5%と高く、環境にもやさしい原料である。アメリカの環境省が提唱する「グリーンケミストリーの12原則」に基づいて設計・開発されており、従来の「アルジレリンペプチド」と比較して製造時の二酸化炭素排出量やエネルギー消費を抑え、さらには易生分解性も有していることから、サステナブルやクリーンビューティといった昨今の価値観にも適した原料として期待されている。

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