クロス・マーケティング、「中高年男性の美容」に対する意識・実態調査

近年、若年層男性の美容に対する実態・意識に焦点があてられ、また若年層男性をターゲットとした美容商品・化粧品なども増加している。

一方で中高年男性が、美容に対してどのような意識を持ち、行動をとっているのかはあまり明らかでない。本調査では、中高年男性の美容・化粧に対する実態・意識を確認することを目的とした。

■調査方法:インターネットリサーチ(クロス・マーケティングアンケートモニター)
■調査対象:40~65歳の男性
■調査地域:首都圏(1都3県)
■有効回収数:900サンプル
■実施期間:2010年8月26日(木)~27日(金)
■回答者属性
首都圏在住
男性40~49歳(300)、男性50~59歳(300)、男性60~65歳(300)、計900

1)中・高年男性における化粧品の使用・購入実態
・【40代男性子供なし】はスキンケア商品の使用率が高く、この層は他層よりもスキンケア意識が高いといえる。
・整髪剤は、若年層ほど使用率が低下している。今後の整髪料市場がこの傾向で推移するのか、新たなコンセプト・機能の整髪料市場が誕生するのか関心の持たれるところである。
・【男性40代】はヘアケアについて「気になっている」率が最も高く、この層は他層よりヘアケア意識が高いといえる。

1.1 化粧品(スキンケア商品)の使用実態
化粧品(スキンケア商品)10品目の使用状況をたずねた。
全体でみると、下記10商品の中では、「洗顔料」が最も高い。続いて「リップクリーム」、「ハンドクリーム」、「化粧水」が1割を超える。
「スキンケア商品は使用していない」は半数を超える。
年代別で見ると、【男性60代前半】で最も使用している化粧品は「ハンドクリ―ム」で、洗顔料などの方が高い他の年代とは異なる傾向である。
【男性40代子供なし】は、「洗顔料」の使用者が全体より20ポイント近く高く、また「スキンケア商品は使用していない」が10ポイント以上低い。

1.2化粧品(スキンケア商品)の1ヶ月あたりの使用金額
1ヶ月のスキンケア商品の使用額は、「1円~1,000円未満」が最も高くなっており、全体の平均金額は1371.3円である。
平均金額が最も高かったのは、【男性50代】で、最も低かった【男性40代】との差は81.9円である。
年代が上がるごとに「1円~1,000円未満」の回答者が下がり、「1,000円~2,500円未満」の回答ポイントが上がる。特に【男性60代前半】は「1,000円~2,500円未満」が40.0%で、【男性40代】、【男性50代】より10ポイント以上高い。

1.3-1化粧品(ヘアケア商品)の使用実態
全体で見ると、「シャンプー」はほとんどが使用しており、「トリートメント」は半数以下であるが、【男性40代子供なし】の使用率は相対的に高い。清潔を保つための行動は9割の人が行う一方、「ダメージケア用品」は1%に満たない。
全体で「育毛剤」の使用率は17.4%であり、年代による差はみられない。
【男性50代】は、「ヘアケア商品は使用していない」が他の年代よりも低く、当該商品いずれかを使用している人は最も多いが、「トリートメント」「育毛剤」「ダメージケア用品」においては、他層よりもやや低い。
年代が上がるほど、「整髪料」の使用率は高くなっており、【男性60代前半】では、他の年代より10ポイント以上高い。

1.3-2 中・高年男性のヘアケア意識
 【気になっている】全体では「薄毛・抜け毛」が最も高く、「頭皮(ふけ・かゆみ・皮脂)」、「髪のボリューム」と続く。年代別でみても、上位の順位は同じである。
 【気になっている】の「頭皮(ふけ・かゆみ・皮脂)」においては、【男性40代】【男性50代】が高ポイントを示す。
 「気になっているところが特になし」と回答した人は、40代が他層より低く、気にしている割合が最も高い。
 【対策をしている】全体では、「頭皮(ふけ・かゆみ・皮脂)」「薄毛・抜け毛」が1割を超え、高い。年代別でみても、上位の順位は同じである。「髪のボリューム」は【気になっている】わりには対策率は低い。
 対策率が高いのは、「頭皮(ふけ・かゆみ・皮脂)」、「毛染め・カラーリングの維持」で、気になっている人の半数以上が対策をしている。

1.4化粧品(ヘアケア商品)の1ヶ月あたりの使用金額
 1ヶ月のヘアケア商品の使用額は、「1円~1,000円未満」が最も高くなっており、全体の平均金額は1307.8円である。
 平均金額が最も高かったのは、【男性60代男性】で、最も低かった【男性50代】との差は131.3円である。
 年代が上がるごとに「1円~1,000円未満」の回答ポイントは下がり、「1,000円~2,500円未満」の回答ポイントが上がる。

2)中・高年男性のヘアに対する意識と行動
・美容室でヘアカットする傾向は、若年層ほど強い。

2.1 中・高年男性のヘアカットする場所
 全体でみると、「理容室・床屋」が圧倒的に高い。
 若年層ほど美容室の比率が高い。
 年代別でみると、【男性40代】、【男性50代】は「理容室・床屋」に続いて「美容室」が高いが、【男性60代前
半】は、「自宅」と続き、「美容室」は1割に満たない。
 【男性40代子供あり】は、「自宅」より「美容室」が10ポイント以上高い。一方【男性40代子供なし】は、「自宅」「美容室」で、ほとんど差がない。
 【男性50代】では、「美容室」利用者が【子供あり】よりも、【子供なし】の方が10ポイント近く高い。

2.2 中・高年男性のカラーリング・パーマをかける場所
 全体でみると、「カラーやパーマは行わない」が7割を超え、3割近くに「カラーリング・パーマ」を行った経験がある。【男性40代】、【男性50代】のカラー・パーマの経験がある割合はほぼ同率だが、【男性60代前半】になるとみ未経験率が高くなる。
 【男性40代】のカラー・パーマをかける場所は、「自宅」が最も高く、次いで「美容室」が続く。
 【男性40代】、【男性50代】において、場所を問わず、カラーリングやパーマをかける人の割合は、【子供なし】より【子供あり】の方が10ポイント近く高い。

2.3 かつらの利用状況
 全体では「使用しておらず、検討もしていない」が9割をこえ、使用者は希少であることがわかる。
 「使用している」と「以前は使用していたが、現在は使用していない」の使用経験者は、全体で2.0%。年代別で
は、【男性40代】【男性50代】【男性60代前半】でほとんど差はない。

3)中・高年男性の美容・エチケット意識
・みだしなみに対しては、どの年代も共通して「髪型・ヘアケア」、「スタイル・体型」を気にしている人が4割前後いるが、対策をしている人はその中の半数ほどにとどまる。
・【男性40代】で「もともと喫煙していない」層がそれより上の年代より約10ポイント高い。
・各年代で「子供あり」が「子供なし」より禁煙者率が高いのは、子供の健康が有力な要因となっていると思われる。

3.1 中・高年男性の「みだしなみ」に対する意識
 気になっている全体では、「髪型・ヘアケア」「スタイル・体型」が4割を超えるポイントを示しており、「ひげ」が続く。
 対策をしている全体では、「髪型・ヘアケア」が2割を超えて最も高く、「ひげ」「スタイル・体型」と続くが、その他の項目は1割に満たない。
 どの年代も共通して、対策は「特になし」が50ポイント以上となる。気になっているところ・対策ともに「特になし」は、年代が上がるごとにポイントが高くなっている。
 「気になっている」と「対策をしている」のポイントの差は、「スタイル・体型」が24.3ポイントで最も高く、「髪型・ヘアケア」が23.2ポイントと続く。

3.2 中・高年男性の「におい」に対する意識と行動
 気になっている全体では、「口臭」「体臭」が半数近いポイントを示しており、「足のにおい」が続く。またそれぞれの項目を年代別にみると、年代が上がるごとにポイントが下がっている。つまり気になる度合いが、若年層ほど高い。
 【男性40代】では、「体臭」が最も高く、「口臭」と続き、半数以上の人が気になっていると回答している。
 対策をしている全体では、「口臭」「体臭」で2割を超えるが、その他の項目は1割を切る。
 「気になっている」と「対策をしている」のポイントの差は、「口臭」が24.4ポイントで最も大きく、「体臭」が23.8ポイント、「髪のにおい」が10.5ポイントと続く。
 対策をしているにおいて、【男性40代】の「体臭」が最も高い。

3.3 中・高年男性における喫煙の実態
 全体では、「以前は喫煙していたが、やめた」人は38.9%で約4割。
 年代別にみると、「喫煙している」人は【男性40代】【男性50代】で3割を超える。
 「以前は喫煙していたが、やめた」人は【男性60代前半】で最も高い。
 「もともと喫煙していない」人は【男性40代】で最も高く、4割に近い。
 【男性40代】【男性50代】は【子供あり】の方が「以前は喫煙していたが、やめた」人の割合が高い。

3.4 喫煙をやめた時期
 全体では、「6年以上前」にやめた人が68.6%で、最も高い。
 【男性50代】は「2~3年以内」に喫煙をやめた人が、全体より5.3ポイント高い。また「6年以上前」にやめた人は全体よりも5.9ポイント低い。
 1年以内にやめた人の合計は、【全体】【男性40代】【男性50代】【男性60代前半】、いずれも1割を超えている。

3.5 禁煙を挫折した経験
 全体では挫折をした経験が「0回」が最も高く、「禁煙したことはない」「3~5回」が続く。
 【男性50代】では、「0回」が最も多く、禁煙に失敗しなかった人が多い。
 【男性60代前半】では、「0回」が3割近くで最も高く、次いで「3~5回」で2割と続く。また「禁煙したことはない」は、【男性40代】【男性50代】と比べて、7~10ポイント低い。
 【男性40代】【男性50代】では、【子供なし】で「禁煙したことはない」が3割を超える回答をしている。つまり、【子供あり】の方が、禁煙に挑戦した人の割合は高いといえる。
 どの年代においても、1回で禁煙できる割合は低く、全体の約50%が複数回チャレンジをしている。

4) 中・高年男性の肌に対する意識と行動
・「あぶらっぽさへの悩み」は40代が高く60代が低いが、これは年齢による肌の状態が影響していると思われる。
・40代は、肌に対する悩みが「特になし」と回答した人が、他層に比べてもっとも低い(悩み度がもっとも高い)。これは年齢的な側面と同時に、肌への関心度が強いことも示していると思われる。
・40代の「エステ現在実施者と経験者」が6.4%であり、若年層ほどエステへの関心が高い。

4.2 エステの経験
 エステ経験のある人(「定期的に通っている」、「定期的ではないが、行ったことはある」)は、全体で5%しかおらず、7割以上が興味もない。
 年代が上がるごとに、経験も興味もない人が増える。
 【男性40代】ではエステ経験者の合計は6.4%。興味がある人を含めると28.1%で、他層より高く3割近い。

<「中・高年男性の美容」に対する意識・実態調査調査概要>
■調査方法インターネットリサーチ
(クロス・マーケティングアンケートモニター使用)
■調査時期2010年8月
■地域首都圏(1都3県)
■調査対象男性40~65歳
■有効回収数900サンプル
■設問数属性設問5問+本調査18問
■調査内容
□属性設問(性別・年齢・居住地・婚姻状況・子どもの有無)
□現在使用しているスキンケア商品(MA)
□スキンケア商品の購入月額(SA)
□現在使用しているヘアケア商品(MA)
□ヘアケア商品の購入月額(SA)
□おしゃれ・身だしなみで気になっているところ/対策をしているところ(MA/MA)
□匂いで気になっているところ/対策をしているところ(MA/MA)
□髪型・ヘアケアで気になっているところ/対策をしているところ(MA/MA)
□髪を切っている場所(SA)
□カラーリングやパーマをかける場所(SA)
□現在のかつらの使用状況(SA)
□スキンケアに関しての悩み(MA)
□エステを行った経験と、興味度(SA)
□喫煙状況(SA)
□喫煙をやめた時期(SA)
□禁煙を試みて、挫折した回数(SA)

【調査データの販売】
クロス・マーケティングの運営するデータ販売サイト「Cross Shop」にて、本調査のローデータやGT表、クロス集計などを販売している。→http://www.cross-shop.jp/

★本件に関する問い合わせ先★
株式会社クロス・マーケティング担当:大島(おおしま)
東京都中央区銀座8-15-2 銀座COMビル6F
TEL : 03-3549-0603 FAX : 03-3549-0232 E-mail : pr-cm@cross-m.co.jp

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