認知度を高め、愛用者の拡大へ
――今後、どういった層を取り込んでいきますか。
丸島 今後さらにエクシアを拡大・発展させていくためには、既存のエクシアをご愛用いただいている方々はもちろん、ラグジュアリーな化粧品を様々使い込まれてきた方々に選んでいただけることを目指しています。
商品開発にあたっては、そういったスキンケアに精通した方々を唸らせるような目新しさを感じていただけるように、1品1品作り込んでいきました。
高い肌実感や至福の心地よさといったラグジュアリースキンケアとして普遍的な要素を追求しながら、ほんのわずかだけ不協和音的な要素を融合させてみると、なんともいえない新鮮な感覚が生まれるのではないかと考えました。
香りに関しても、使用した瞬間にエクシアが新しく生まれ変わったことを感覚的に印象づけるため、大きく香調を変えました。嗜好性を追求した香調から、深みのあるウッディムスキーな香調への変更です。
王道ではないかもしれませんが、本能的に印象に刻まれるような香りが完成されたのではないかと思っています。
――新生エクシアの潜在力をどのように分析していますか。
丸島 今回のデビューでは、乳液・化粧水・クリームといった基本的なスキンケアアイテムの構成になっていますが、今後追加するアイテムはブランドの広がりや奥行きを認識していただけるような新たなアイテム群を投入していきたいと考えていますのでご期待ください。
――新生エクシアの認知度を高める取り組みや、リニューアル前のプロモーション、販売後の状況について教えてください。
前田 今回は新生エクシアのデビューということで、通常よりもかなり前倒しで宣伝物を店頭にお届けしました。
認知度を高める取り組みについては、2つの軸で進めています。
まず1つ目として、既存のご愛用者はもちろん、他ブランドをお使いの方々にもエクシアを知っていただけるよう郵送のサンプルを多数用意しました。
どなたでもお使いいただけて、肌効果を実感しやすいクリームを事前にご郵送し、エクシアを知っていただくことに努めました。サンプルをお使いいただいた後、同封されているカードを店頭に持参された方には、ステップで使っていただける特別なサンプルを用意しました。
2つ目として、発売10日前からは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ様が運営するTポイントの会員のうち、他社のハイプレステージブランドをお使いのエクシアとの親和性の高い約3万名の方を対象に、4ステップのサンプルを郵送するダイレクトサンプリングを実施しました。
この2つの施策を発売前に実施することで認知度の向上を狙いましたが、十分な量のサンプルと宣伝物を用意し万全を期したこともあり、当初の目標に対し売上は順調に推移しています。また、SNSに掲載されているオーガニックな投稿をみると、サンプルを使った感想や、商品を購入したことを知らせるものが増えてきており、手応えを感じています。
新製品の中では、今までになかったアイテムということもあり、2つのフォーミュラを使う直前に混ぜて使うスペシャル美容液「ダブルキー セラム」(40 mL・1万5000円)がかなり好調に推移しており、売上を伸ばしています。
今林 プロモーションについては、どういった層にアプローチしていきたいのか改めて見直しを行い、ターゲットを「自分らしい美しさを求める現代を生き抜くすべての女性」に再設定しました。
本当に良いものを求める若い方や、経験豊かでたくさんのラグジュアリーシリーズを渡り歩いてこられた方にも、圧倒的な肌効果を通じて未知の美しさを提供できると確信していますので、現在はターゲットの見直しを行ったことを社内に発信し、意識改革を進めているところです。
世界観・イメージの構築で
「150億円ブランド」へ
――今後、エクシアをどのように育成していきますか。
丸島 エクシアは、デビューから30年という時を経て、アルビオンの1シリーズという枠を越え、「スキンケア」「メイクアップ」「アンベアージュ」で圧倒的な美しさを叶えるプレステージブランドを目指していきます。
具体的には、この秋に発売した「ラディアンスリニューライン」を皮切りに、2021年春に「ブライトニングライン」、2021年秋に「ポイントメイクライン」、2022年秋に「ベースメイクライン」を順次投入していきます。
スキンケアとポイントメイク、ベースメイクを刷新し、新たな提案を通じてそれぞれの分野が拡張していくことにより、エクシアのブランドとしての広がりを構築し、従来のあり方から大きく変革していきます。
そして創業70周年にあたる2026年、エクシアは、「高級化粧品の第一人者として、本物志向に徹し、美しい感動と信頼の輪を世界に広げる」というアルビオンの企業理念を体現するブランドとして、アンベアージュを含めて150億円ブランドへと育成し、プレステージスキンケア市場での存在感を高めていきます。
前田 売上高150億円は、従来のあり方の延長線上では到底なし得ない数字です。
顧客層を広げていくためには、商品の効果はもちろん、それを取り巻く世界観、イメージの構築が必要になってくるでしょう。
従来は、肌効果が高いことに着目してプロモーションを展開することも少なからずありましたが、ハイプレステージブランドであればあるほど、肌効果を見せていくというよりも、それを持つことで得られるその先の効果、つまり気持ちや生き方にまで関わるようなものを見せていく必要があると考えています。それこそが、新しいお客様と出会うきっかけや鍵になる筈です。
今後も新ラインが続々と誕生しますが、肌効果はもちろん、それを持つことで叶う美しさ、世界観などプラスアルファの部分をしっかり表現し、アルビオンの1シリーズとしてではなく、プレステージブランドとして認知されるところまで成長させていくことを、2026年に向けての大きな目標に据え、プロモーションを展開していきます。