天真堂・児玉社長に聞く、目指すは「流通革命」のパイオニア

C&T 2016年12月15日号 56ページ

天真堂・児玉社長に聞く、目指すは「流通革命」のパイオニア
 医薬部外品OEMを軸に単品リピート通販のワンストップ総合支援事業を展開している天真堂は、2010年に医薬部外品OEMのビジネスを開始する以前、美白オールインワンジェル「エニシングホワイト」を展開する通販化粧品メーカーだった。

 同品は通販と卸で累計販売個数80万個のヒットを記録し、医薬部外品OEMではBtoCで培った販売ノウハウを活かして、製造だけでなく物流や販促支援などクライアント企業の通販事業をトータルで幅広くサポートしている。

 児玉和之社長に、医薬部外品OEMを開始するに至った経緯から、現在注力している取り組み、そして今後の事業展望について話をうかがった。



「医薬部外品を1週間で納品」を実現
通販インフラの充実も競合との差別化に

 ――「医薬部外品OEM」の展開に至るまでに、どのような経緯がありましたか。

 児玉 天真堂の前身で、医薬品卸を展開する天真堂三和のオーナーと出会ったのが2000年頃だった。今よりインターネットの環境が整備されていない状況だったが、私はその当時、通販市場が将来間違いなく伸びると確信していた。

 ただし、こうした通販市場の伸長と同時に、薬事法に基づく表示規制が今後さらに厳しくなっていくことも予測していた。たとえいくらいい商品でも、効能効果がうたえなければ売れない商品になってしまうので、国から許可を得た中で明確な効能効果を訴求できる商品を探索した結果、辿り着いたのが「医薬部外品」だった。

 医薬部外品に特化した会社を作ればビジネスチャンスがあると考え、医薬部外品について自らの知見を深めるため、薬剤師で医薬品と医薬部外品に詳しい天真堂の前オーナーに相談し、2005年1月に天真堂三和へ入社した。

 医薬部外品について調べれば調べるほど面白い発見があり、勉強していく中で最も驚いたのが「医薬部外品は申請する名前と販売する名前が別々でもいい」という点だった。

 要するに「見た目は全く違っても中身は一緒」という医薬部外品のOEMビジネスが可能であり、これは医薬部外品制度にあったごく僅かな隙間の部分で、このようなOEMビジネスができるとは当時誰1人として思っていなかった。

 私はこのビジネスモデルを実現するために、2008年2月に前オーナーからマネジメントバイアウトの打診を受けて株式を100%取得し、自ら経営のトップに立ち、社名を天真堂に変更して新たなスタートを切った。2009年8月には化粧品と医薬部外品の製造販売業を取得し、そしてついに2010年3月に医薬部外品(ソヴール01)の承認を取得した。

 医薬部外品の商品開発では、製造や書類申請などの期間を全て含めて少なくとも1年はかかる。しかし、当社では医薬部外品の承認を得た処方をすでに持っているので、「医薬部外品を1週間で納品できる」という、これまでのOEM業界の慣例や常識にとらわれない全く新しいビジネスモデルを打ち出すことができた。

 商品を一から作り上げる従来の医薬部外品OEMでは開発費が負担となり、ある程度のロットを作らなければ製造コストも下げることができない。また、売れるかわからない商品に投資するのは、クライアントにとって大きなリスクだった。

 一方で、当社のOEMではすでに医薬部外品として完成されている製品を提供するので、クライアントにとって開発費の負担もなく、最低ロットからテスト販売ができるメリットがある。

 ただし、デザインを変えても同じ中身では商品が同質化してしまう。それに対しては、テスト販売をして商品の売上げがある程度の規模になってきたタイミングで商品リニューアルを行い、新たなオリジナル処方へと切り替えてもらうことで対応できる。これが我々の展開する医薬部外品OEMのビジネスモデルだ。

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