マンダム、新生ルシードの発表会で製品力アピール

カンタンに言うと

マンダム、新生ルシードの発表会で製品力アピール

 マンダムはこのほど、ミドル層向け男性化粧品ブランド「ルシード」スタイリング剤シリーズの全面刷新(2月21日発売)を記念したプレス発表会を都内で開催し、リニューアルした製品特徴などをアピールした。エイジングケアに特化したシリーズとして、ミドル層の潜在需要を掘り起こしにかかる。

 新シリーズの特徴の1つは、独自技術の「ボリュームパウダー」によるスタイリング処方を採用した点にある。髪にパウダーを付着させることにより微細な凹凸をつくり、髪1本1本を引っかけるように整髪することで、加齢によって細く軟らかくなった髪にもボリューム感を与えることができるという。この技術は、従来型の整髪効果とは全く異なる新たな整髪機構として、国内特許も申請中だ。

 また、軟毛・細毛化により低下したハリやコシを強化するために「浸透性アミノ酸」を配合。髪内部に浸透・蓄積しやすい性質のある同成分は、同社中央研究所の実証試験においても、軟毛や細毛にハリやコシを高める効果が認められており、加齢毛をスタイリングしやすい状態に整えることができるという。

 発表会の当日、マーケティングの視点から商品開発に関わった小栗一宏氏(第1商品開発部)は、ミドル層(35~49歳)が歩んできた時代背景を通して、消費に対する世代特徴を分析。

 バブル時代を謳歌したミドル層は「豊かさを消費」した世代であり、「新しいモノ・コトは手に入れる」意欲が高いという。また、職場だけでなく家庭や趣味などの様々な生活シーンで「ギアはオン」である傾向が強いことも紹介し、彼らを「〝男子〟を捨てきれずに大人になった『新・ミドル』」と定義づけた。その上で、これまでの「男は中身」という意識から一転し、「新・ミドル」には「男は外見も大事」と考えている人が多いと分析した。

 同社が実施した意識調査の結果でも「見た目が大切だ」と感じるミドル層が多く存在する一方で、「自分の外見に満足」と回答する人が少ないことも明らかになっている。中でも、体臭や体型などと並び「髪型」に対する意識は強いことから、小栗氏は「髪型は男性の外見にとって重要なファクター」と結論づけた。

 研究分野の角度から浅田拓二氏(中央研究所)はプレゼンテーションを行い、核となる「ボリュームパウダー」技術のアイデアが、野球で投手が使用するロジンバッグから得られたという意外な開発秘話を明かした。

 野球の練習中に、投手の「ロジンバッグがないとボールが指に引っかからない」という言葉に咄嗟に反応し、髪を粉で引っかけてボリュームアップさせるアイデアが浮かんだという。

 浅田氏は、加齢による頭髪の変化を数値化した研究結果を用いて紹介し、ボリュームやハリ・コシの低下といった加齢による頭髪の変化に対するアプローチとして、新技術と浸透性アミノ酸が有効に作用することをアピールした。

 新シリーズは、セット力の強弱によって様々な剤型を使い分ける従来型の商品構成に、白髪やボリュームダウン、軟毛・細毛化など加齢による髪悩み別のアプローチを新たに加え、ワックスやフォームなど全10品(700~1000円)をラインナップした。ボリュームパウダー技術は、「ボリュームパウダーフォーム」と「同ワックス」の2品に搭載。浸透性アミノ酸は、全製品に配合している。

 「ルシード」は、「無香料・無着色・防腐剤無配合」などをうたった男性化粧品ブランドとして1989年に誕生。主にミドル層を対象に商品を展開してきたが、近年は売上げが伸び悩む傾向にあった。ただ、ミドル層は今後の人口増が見込まれることや潜在需要が高いとの分析から、新シリーズの発売を契機に啓発活動を強化してブランドを成長させたい狙いがある。

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