資生堂、UV塗布で疲労感が軽減しその後の回復も助けることを発見

粧業日報 2024年5月2日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 紫外線から肌を防御することで、運動パフォーマンスや疲労回復に好影響
資生堂、UV塗布で疲労感が軽減しその後の回復も助けることを発見

 資生堂は、屋外運動時の紫外線暴露が心身に及ぼす影響を科学的に検証し、日やけ止めなどを用いて紫外線から肌を守ることで、運動中や運動後24時間後までの間、疲労感を軽減することを確認した。日やけによる肌の赤みの度合いと疲労感が相関することを見出し、日やけ止めを用いることで、運動後の筋肉痛の感じ方が軽くなる可能性があることも明らかにした。

 つまり、レジャーやスポーツ、日常生活に日やけ止めなどの紫外線対策を取り入れることで、太陽のもとでより一層アクティブに活動できる可能性が示された。

 同社では今回の研究成果を応用し、太陽の下でアクティブで自由に、日々の生活を楽しむができる未来を実現する製品やサービスの開発を進めていく。

 炎天下の外出や屋外運動により疲れを感じるということはこれまで経験的に伝えられてきたが、実際に紫外線を防御することで、心身へどのような影響を及ぼすのかについてはこれまで十分に検証されていなかった。

 そこで今回、屋外運動時の紫外線暴露、紫外線防御が心身に及ぼす影響を科学的に検証し、太陽光の下でパフォーマンス高く、より一層アクティブに活動できる方法を探すことを目指し、研究を進めた。

 健康な成人男女16名を、紫外線防御あり・なしの2つの群に分けて、沖縄で試験を行った。紫外線防御ありの群は、資生堂が開発した日やけ止め製剤(SPF50+・PA++++、スーパーウォータープルーフ)を肌に塗布し、紫外線防御なしの群は、日やけ止めから紫外線吸収剤・散乱剤を抜去した日やけ止め効果のない基剤を塗布した。屋外にてシャトルラン形式の運動(60分間で4セット実施)を行い、血中疲労関連因子の1つである血中乳酸値の濃度や主観的な運動強度、筋肉痛の感じ方などを調べた。

 その結果、日やけの度合いを示す肌の赤みが強いほど、運動後に大きな疲労感を感じることや、紫外線防御なしの群は、紫外線防御ありの群と比べて、疲労を感じやすい傾向にあることがわかった。

 さらに、血中乳酸値は紫外線防御なしの群において、運動直後に有意に上昇した。また、運動後の肌の赤みの変化量が運動時の血中乳酸値の変化量や酸化ストレスの変化量と比例することも確認しており、以上の結果から、日やけ止めを用いて紫外線から肌を守ることで、運動時の疲労感を軽減できることが推察された。

 主観的な運動強度は、運動後半(Set3からSet4にかけて)にて、紫外線防御ありの群の方が紫外線防御なしの群に比べて低値を示し、運動後半になってもきつさを感じにくい傾向にあることがわかった。

 主観的な筋肉痛は、紫外線防御なしの群でのみ、24時間後に有意な増加を示すことから、紫外線から防御することで、運動後の全身筋肉痛を抑えることができることが示唆された。また、運動の6時間後、24時間後の疲労感も、紫外線防御ありの群の方が低くなる傾向がみられた。

 これらの結果から、紫外線から防御することで、運動中のパフォーマンスや運動後のリカバリーに、良い影響があることが示唆された。

 今後も、基礎研究領域の知見や技術を土台として、日やけ止めをはじめとした紫外線防御の技術開発をさらに加速し、高いテクノロジーで紫外線を防ぐことによって、太陽の恩恵をより享受できる商品の開発を進めていく。

 また、地球環境に配慮した商品づくりに加え、子供たちへ紫外線や日やけ止めの理解を広める教育活動を行うなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいく。


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