コーセー・小林一俊社長、2011年度入社式挨拶(要旨)

コーセー・小林一俊社長、2011年度入社式挨拶(要旨)

 これまでも私は、従来の常識や前提が通用しない「高リスク社会」への対応の必要性を説き、全ての物事はこれまでの延長線上にあるわけではないと肝に銘じるべきと指摘してきた。

 今回の大震災は、まさに想定リスクを超えた出来事であり、単なる危機管理の域を超え、企業活動を根本から見直す必要性に全ての日本企業が直面しているといっても過言ではない。

 私も実際に被災地の視察と激励に行ってきた。被害の甚大さを目の当たりにして、形容すべき言葉もなかったというのが正直なところだ。しかし、被災地の化粧品販売店の皆さんの中には、このような状況だからこそ世の中を明るくする化粧品の提供を早く再開し、今後の復興に貢献していきたいという声も頂き、大変心強く感じている。

 事態を重く受け止め、何をすべきか真剣に考え行動することは当然だが、必要以上に悲観的になることはない。むしろ、我々がより強く結束する機会ととるべきであり、これまでも抱えてきた課題が顕在化したと前向きに考え、我々がより一層強く結束し、インフラからモノづくりの体制まで「様々な構造を抜本的に見直すチャンス」と考えるべきだ。

 当社はこれまでの3年間、「現場力、スピード、シンプル化」をモットーに、創業以来蓄積してきた本来の強みを一層研ぎ澄ませつつ、変えるべき点は思い切って見直し社員全員の「意識」と「行動」も含めて改革を進めてきた。

 これまで、変化する流通対応や、経営効率の向上といった側面では成果が出つつあるが、競争の舞台が「世界」に移りつつあることを踏まえ、「グローバル視点」に発想転換しながらますます加速する消費・購買行動の変化に適応し、これまでにない新しい取組みにも挑戦する「攻め」の改革のステップに入っていく。

 皆さんには次の2つのことを期待したい。一つは「チャレンジ精神」。若いからこそ、我々や業界の持つこれまでの習慣や常識にとらわれない斬新な発想を活かしてほしい。我々は業界ではチャレンジャーの立場であり続けるべきであり、そのチャレンジ精神を率先して体現してほしい。

 もう一つは「自分を磨く」こと。愛社精神をもって働くことは大切だが、それはコーセーの看板やブランドに頼ることとは違う。まずは自分自身を磨くことで、新たなコーセー像を自分が作っていくという気概を持って業務に取り組んでほしい。

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