セントラル・コーポレーション(本社=岡山市)は、「わずか100個から化粧品をつくる」ことを理念に掲げ、1980年の創業以来、35年にわたり小ロット製造のパイオニアとして独立を目指す起業家を支援し続けてきた。同社では小ロット製造による化粧品OEM事業と並行し、創業から一貫してアンチエイジング研究にも取り組んでいる。笹山博史社長に、今展示会の見どころやポイントについてインタビューした。
成長因子の効果を発揮するには
「活性力」と「水溶性」が重要
――今展示会の出展内容についてお聞かせください。
笹山 化粧品開発展では、差別化された原料を使用したこだわりの化粧品を「わずか100個から」でもOEM製造できることを強くアピールしていく。
――差別化された原料とは。
笹山 化粧品においては差別化できれば何でも良いといったものではなく、時代の流れとともに求められるものが皮膚を単に「保護・ケア」する化粧品から、「細胞増殖」を目的としたアンチエイジング化粧品へと変わってきた。要するに、消費者のニーズが医薬品に匹敵するような効果を化粧品に対して求めてきており、化粧品の研究開発においてこのニーズを捉えることが重要となる。
昨年、厚生労働省がEGFを医薬品リストに収載する案を出したように、EGF・FGFなどの成長因子(GF)は医薬品に匹敵する効果を持つことは広く知られている。
近年は、EGFなどの成長因子を配合した化粧品を店頭などで見かけることが増えてきた。ただし、単に成長因子を配合すれば「細胞増殖」を目的としたアンチエイジング化粧品になると勘違いしている人が依然として多いように感じる。
――「細胞増殖」を目的としたアンチエイジング化粧品づくりで重要なポイントは何でしょう。
笹山 まず1つは、成長因子に本来の力を発揮させる「活性力」(IU値=1~1.2×10の7乗IU/mg)が不可欠だ。デッド(不活性)状態のEGFをいくら配合しても、十分な効果を期待することはできない。
さらに、もう1つ重要なことは「水溶性」であるか否かだ。成長因子は水溶性であればこそ、体内のレセプター(受容体)と結合し効果を発揮することができる。水溶性ではないEGFを化粧品に配合しても、何も期待することはできない。
せっかく成長因子に対する世間の関心が高まっているのだが、現状のままでは成長因子を配合した化粧品で十分な効果を得ることができず、一過性のブームで終焉してしまいかねない。
当社では、水溶性で高い活性力を持つEGFの抽出に加え、表皮酸性皮脂膜による成分分解を防ぐため、表皮細胞の間を通るほどの小さい100nmのリポソームカプセルで成長因子を保護する。これにより活性度を落とさずに成長因子を肌に届けることができる。
今回の展示会では、こうした「細胞増殖」を目的としたアンチエイジング化粧品で必要とされる重要なポイントをしっかりと訴求していく。
独自技術で高活性のEGFを抽出
活性型・水溶性FGFの開発めざす
――EGFを抽出する最新の研究成果についてお聞かせください。
笹山 一般的なEGFの抽出方法は、不活性の状態で抽出されてしまうのが今までの課題であった。不活性EGFをリフォールディング(再活性過程)によって活性化させると、活性の低いEGFが不純物として含まれてしまう。そのため、活性成分の生産量も微量で純度の低いEGFとなる。これが「活性が低い要因」となる。
それに対して、最新研究ではリフォールディングの工程を省略し、「100%活性型」「水溶性」での抽出に成功し、高純度・高IU値を持つEGFの抽出に成功している。
――今後の研究開発では、どのような取り組みに注力していくお考えですか。
笹山 エイジングケアの視点で言えばEGF、FGF(線維芽細胞増殖因子)は有効な成長因子であると捉えている。EGFが再生するのは上皮細胞だが、一方でFGFはコラーゲン・エラスチンの合成を促進する作用を持つ。これにより皮膚の弾力を取り戻し、シワなどの改善に貢献することが期待できる。
このため当社としては今後、FGFを中心とした「活性型・水溶性」成長因子を配合した化粧品の提案を本格化させていく考えだ。1980年の創立からこれまで35年にわたり、独立を目指す起業家に対し、こだわりを持った製品づくりの支援を続けてきた。化粧品だけでなく、健康食品のOEM製造に関しても「わずか100個から」でも提案が可能だ。
化粧品や健康食品の分野において、小規模な事業者でも当社を活用していただければ、発売元となるチャンスがある。この展示会を機に、安売り競争の仕入れ商品でなく、「活性型・水溶性」の成長因子を配合し、他社と差別化できるアンチエイジング商品を戦略の中心としていただきたい。
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この記事は週刊粧業 掲載
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