名残惜しいですが、私のコラムも残り3回となりました。今回からは、中国化粧品市場へ新規参入をお考えの企業様向けに具体的アドバイスをさせていただこうと思います。ポイントは3点です。
①誰に売るのか?
②何を売るのか?
③どう売るのか?
まず最初に「誰に売るのか」です。ターゲットを明確にしておかなければ、商品開発も販売するチャネルも定まりませんよね。私が新規参入のターゲットとして最良と考えるタイプは2つあります。
「剰女」この中国語をご存じでしょうか?「シャンニィ」と読みます。結婚適齢期を過ぎても結婚していない女性を揶揄する言葉です。「剰」という漢字には残り物という意味があり、言葉上は「売れ残りの女性」という悪いイメージですが、実際の「剰女」は、高学歴で高収入で美人の場合が多いのです。
なのに何故結婚できないのか不思議ですよね。昔から中国の男性は自分より高学歴・高収入・高身長の女性を結婚相手として望みません。年上の女性も敬遠されがちです。逆に女性側は日本のバブル期のように「三高(高収入・高学歴・高身長)」の男性を求めます。少子化・就職難の中国において、未婚の結婚適齢期の男女の数は1億人を越えると言われ、大きな社会問題にもなりつつあります。
「剰女」のエリート女子は、国営企業や外資系企業などに勤め、一般の女性の2倍近い給料を貰っています。おしゃれでセンスもよい彼女たちは、自分の個性や感性をとても大事にします。化粧品ならばその原料や成分の産地・製造過程もしっかりチェックして、効き目・品質の良さなどネットを駆使して調べます。
衝動買いはめったにしません。じっくり調べて冷静に判断し納得してから購入するのです。都会の「剰女」は、おしゃれや美容のために毎月の給与の3割を使うと言われています。おしゃれに妥協しないのが大きな特徴です。
私は、日本の高品質ですばらしい化粧品こそ彼女たちのニーズにぴったり合うと考えます。選りすぐりの原料を使って、最先端の技術で作られた本物の日本製品と認識すれば、彼女たちは少々高額でも必ず欲しがります。そして、慎重に吟味して購入したのですから、簡単に乗り換えたりしません。きっと長く使い続けてくれます。
価格面では中国製化粧品に絶対勝てません。「剰女」をターゲットにして、彼女たちが欲しがるようなワンランク上の化粧品を開発されることをお勧めします。
斉晶岩(サイ ショウガン)
LAFASO JAPAN 代表取締役社長
北京第ニ外国語学校日本語学科卒業 日立グループ日立製作所東京本社国際電力営業本部所属 イギリスバーミンガムにて英国経営管理修士(MBA)取得 2011年LAFASOの日本法人LAFASO JAPAN設立 母親は日本人。赴任先でもあった瀬戸内の景色と魚料理をこよなく愛す。
紙面を探す
紙面を探す
レポートを探す
無料でダウンロード
カタログを探す
無料で見る
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、日用品、医薬品、美容業、装粧品、エステティック等を中心とした生産・流通産業界の総合専門情報紙。
季刊/年4回
化粧品、日用品、アクセサリーなどの業界別の市場動向をはじめ、戦略、流通、経営、マーケティングを扱う情報専門誌。
週刊/毎週月曜日発行
化粧品、トイレタリー、石鹸、歯磨、日用品に関する情報の速報版。業界のエグゼクティブ必読の情報紙。
週刊/毎週月曜日発行
昭和33年に創刊された、わが国初の訪問販売化粧品業界の専門情報紙。