第2回 SNSのクチコミを活用しさらなる売上向上へ

【週刊粧業2021年2月15日号11面にて掲載】

 ユーザーのクチコミ=UGC(User Generated Contents)の活用は、コスメブランドのSNS運用において鍵となる。

 UGCには、企業側にはない視点や切り口の投稿が多く、商品の比較レビューや図のようなメーク写真など、コンテンツの幅も多様だ。

 ちなみにコスメはSNSで共感を集めやすく、手に取られる回数も物理的に多いため、UGCが自然発生しやすい商材でもある。



 UGCが影響力を持ち始めていることは、NOINの調査からも窺える。外出自粛期間中に「SNSの口コミ」を参考にコスメを購入したユーザーの割合は34%だった。

 MimiTVの調査では、UGCの少なさを理由に購入を見送ったユーザーは6割以上いることも判明している。

 SNS運用においてUGCの活用が鍵となる最大の理由は、「情報の信頼性が高い」ことにある。

 UGCはインセンティブが発生しないコンテンツであり、ユーザーに投稿を依頼するものでもない。「この商品を薦めたい」というユーザーの思いから自発的に生まれるコンテンツだからこそ、信頼されやすいのだ。

 先述のMimiTVの調査を見ると、「参考になるクチコミ・レビューのポイント」を聞いた設問で最も多かった回答は、投稿者の本音が書かれていること(68.5%)だった。

 また、ほとんどのユーザーは企業の宣伝に協力したいとは思っていないため、企業発信の情報は拡散されにくい。一方、宣伝感のないUGCは共感を集めやすく、拡散も起こりやすい。

 「先日友達がA社のマスカラをツイッターで高く評価していて、別の知人も同じようなツイートをしていた。その後、知らない人がこの商品を推している投稿もリツイートで回ってきた。そんなに評判が良いなら買ってみよう」といったように、態度変容を起こせる。

 UGCを見て商品を購入したユーザーは、購入後に自身もUGCを生んでくれる傾向すらある。そのUGCが誰かの目に入りSNSで拡散されれば、再び別の誰かが商品を購入し、UGCを生んでくれることが起こり得るのだ。

 このような「購買の循環」が作れると、少ない広宣費と工数で売上を伸ばすことも夢ではない。それには企業側が「UGCを生むきっかけ」となる企画を仕掛けるプロセスが不可欠だ。

 顧客に商品を知ってもらい、購入意欲を高めてもらう場所として、SNSは重要な役割を担っている。コロナ後の時代に生き残るには、UGCを使ってSNSから売上につなげていける方法もあると知ってほしい。

 次回は、昨今注目度の高いライブコマースの活用について解説していく。
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岡崎佑紀

(株)ホットリンク ソーシャルメディア事業本部 コンサルティング部

「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」をビジョンに、SNSマーケティング支援サービスを提供。膨大なソーシャル・ビッグデータに基づいた独自のSNS活用メソッドを軸に、企業の認知拡大や売上拡大に繋がるSNSマーケティングを支援しています。

https://www.hottolink.co.jp/

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