第99回 リピート売上アップに役立つ会報誌の3つの役割

【週刊粧業2022年10月31日号8面にて掲載】

 化粧品通販においてお客様に送る会報誌はリピート売上に大きく寄与します。定期的に発行して、郵送したり、商品と同梱してお客様に届けていきます。

 会報誌には以下の3つの役割があります。

1.商品の提案
2.肌理論に基づく継続の重要性を啓蒙
3.お客様とのコミュニケーション

 費用をかけて会報誌を制作、発送する以上、自社のお客様のお悩みやニーズに合った商品を提案して売上に繋げていくことが大切です。この場合には単に商品の紹介をするだけでなく、その商品がなぜ、今お客様に必要なのかといった情報も一緒に伝えていきます。

 例えば、夏が近づくと紫外線のことが気になるように、季節の変化とともにお客様が求める美容情報も変わっていきます。その時期にあわせた情報を伝えることでお客様の関心を高めることができます。

 化粧品通販会社A社は、季節毎に感じる肌悩みに関して、その理由とお手入れ情報を伝えながら、その悩みにあった商品提案へ繋げています。単に商品を提案するのではなく「こんなことを感じていないか?」と問いかけつつ必要性を説いていくので、お客様にはその商品の必要性がスムーズに入ってきます。

 継続して自社の肌理論や商品コンセプトを発信していくことで、商品を使い続ける意味をお客様は理解することができます。自社の肌理論やコンセプトについては初回の同梱物の中で発信しているものと重複しますが、繰り返し伝えることでお客様の頭の中に肌理論、コンセプトが刷り込まれて行き、他社との違いを感じていくことに繋がります。

 化粧品通販会社B社は、会報誌の中で、肌悩み別、季節に応じたお手入れ情報を伝えるとともに、必ず、自社の独自の肌理論について伝えるページを設けます。繰り返し自社が考える肌理論を伝えることで、お客様にその考えを啓蒙していくことが目的です。

 どんなに他社と違った肌理論に基づく商品づくりをしていてもその事が実際に使っているお客様に浸透しなくては、他社と同じに見えてしまい、他の商品も使ってみたいといった隙を作ることになります。その隙を作らせないためにも、自社が考える肌理論を啓蒙することは継続率を高める上でもとても大切です。

 繰り返し伝えていると、お客様が飽きるのではないかと会報誌を作る側は考えがちですが、そのような考えは捨て、信念を持って伝えていくことが必要です。

 お互い顔が見えない通信販売において会報誌がコミュニケーションのツールになります。社員が顔出しして商品を紹介したり、お客様の声を紹介しながら社員のコメントを添えて発信していきます。

 販売側は、社員が顔を出す必要があるのか? と考えがちですが、実際お客様は、社員の顔が見えることで親しみを感じます。

 化粧品通販会社C社は、会報誌に必ず社員が登場します。ある時お客様からのお電話を受けると、「あなた会報誌に出ている○○さんね。以外としっかりしているのね」なんて声を頂き、自然と会話が弾んでいったそうです。

 通販事業は接客業ですので、如何に、非対面な中でも接客されているといった雰囲気を感じていただけるかが大切です。

 会報誌の発行においては継続することが大切です。気合いを入れて何ページにもわたる冊子を作ったり、体制が整ってないのに毎月
発行しようとしたりすると継続できず、取り組みが頓挫する可能性が高くなります。

 今では誰もがしる大手の化粧品通販会社も創刊号は自社作成のA4サイズ1枚のものだったとお聞きしたことがあります。

 まずは身の丈にあった量と発行頻度で継続して取り組んでみてください。
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船生千紗子

(株)通販総研 化粧品専門コンサルタント

通販に特化した広告代理店を経て、株式会社通販総研に入社。現在、化粧品通販新規参入支援、化粧品通販企業向けに新規顧客獲得、リピート顧客育成による売上アップ支援を行っています。クライアントの強みを伸ばし、着実な成長を促すことをモットーにしています。

https://www.tsuhan-soken.com/

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