香栄興業(本社=東京、岡本聡志社長)は、 化粧品原料として香料、 添加剤、 油剤を展開しているが、 ここ数年は、 オーガニック系の機能性原料の提案に注力してきた。 そうした取り組みが奏功し、 オーガニック系のエキス・油剤や天然の調合香料などの採用件数が着実に増えてきている。
特に最近では、 機能性を前面に押し出した原料のピンポイントでの紹介よりも、 「20種類近くあるオーガニック系の機能性原料の中から、 最適なものをセレクトすることへのニーズが次第に高まっている」 (八巻英彦専務) という。
同社ではこうした傾向を受け、 今期以降も引き続き、 オーガニック系の添加剤、 油剤のさらなる充実に努めていく。 取扱製品のラインナップを拡充すればするほど、 「あらゆるニーズに応えることが可能になり、 その結果、 取引量の拡大にもつながる」 (八巻氏) ためだ。
今年度 (2011年3月期) は、 販売が好調な 「香料」 では売上げの維持・拡大に努めるとともに、 「添加剤」 では顧客ニーズに応える商品づくりに磨きをかけ、 「1社1品」 という同社ならではの特徴をさらに伸ばしていく。 さらに、 新規の機能性原料やニーズの高い保湿性原料も同時並行で強化していく方針だ。
新規の機能性原料では、5月より紹介活動を本格的にスタートした国産天然エキス 「エルゴチオネイン」 (一般名=タモギタケ) に期待をかけている。
すでに、 抗酸化、 美白、 抗ニキビ、 育毛など様々な効果が高レベルで検証されており、 今後、 天然の抗酸化素材としてスキンケア全般への応用を提案していく。
消費者の化粧品に対する選択眼が厳しくなる中、 美容成分を高濃度で配合した化粧品をできる限り廉価で作りたいといったニーズも増加傾向にあることから、 北海道産の保湿性原料 「シラカバ樹液エキス」 の提案も積極的に行っていく。
「ほぼ無臭でかつ価格もリーズナブルなため、 水の表示を避けたいといったリクエストにも十分対応できており、 引き続き好調な売れ行きを示している」 (八巻氏)
また同社では、 本舗メーカーにおいて環境対応がより一層活発化するとの将来予測の下、 数年前より新規原料開発のコンセプトを 「海外から国内へ」 「国内でも狭い範囲をより深く」 というように時代の先を見据えて変化させてきており、 「次世代において潜在力が高い国産天然エキスの開発にも取り組んでいる」 (八巻氏) という。
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この記事は週刊粧業 2010年6月7日号 11ページ 掲載
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