クロバーコスメイク(本社=大阪)は、当初はメークアップ化粧品の製造販売を行っていたが、1958年 (昭和33年) 以降は、 受託製造(OEM)に特化することで他社との差別化を図ってきた。
昨年度(2010年6月期)は、メークアップ市場の低迷の影響を受けつつも、収益性の高いファンデーション類の引き合いが増え、大型受注を獲得するなどのプラス要因も相俟って、トータルで前年並みの実績を確保することができた。
「ここ数年来取り組んできた処方開発に精通した担当者による新規開拓の成果があらわれ、新規先からの受注が増加した。それに伴い、完成品での依頼も増えてきており、資材調達ルートの開拓に努めた結果、ノウハウも蓄積されつつある。従来からの機能性や品質特性という切り口だけでなく資材調達から個装仕上までワンストップ・サービスで提案できる幅が格段に広がり、あらゆる要望に対応できる体制が整備された1年だった」(立岡泰昭専務)
また、前期よりスタートした社員の幅広い業務知識習得を促す「JOBローテーション制度」についても、能動的に動く流れが次第に出来つつあり、少しずつ成果が出始めている。他部署との情報伝達において的確に要点を把握する力をつけ、スムーズな社内連携が行われることで、得意先へのスピーディーな対応につながることを目的としているという。
今期(2011年6月期)は、湿式タイプのパウダープレスが製造可能な湿式充填機を導入した。今後はこの機械により製造したメークアップ関連の新製品が市場に投入され始めることから、増収への期待が高まっている。
「新規先だけでなく既存先からも受注の獲得が期待できる。すでに数社から引き合いがあり、手応えを感じている。既存先と新規先双方への提案を図ることで、新規需要を喚起し、売上拡大につなげていきたい」(立岡専務)
60周年を機に、向こう10年間の経営方針を社内に発信する予定で、現在はその草案を策定中だが、中長期の経営方針の概略について立岡専務は、「メークアップに特化したOEMというところをしっかりと保ちながら、『技術立社』という部分をより高めていきたい」と骨子となる部分を説明してくれた。
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この記事は週刊粧業 掲載
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