医薬部外品化粧品を中心にOEMを行う天真堂・児玉和之社長のこだわりは、「常に提案できるOEMメーカーであること」だ。受託製造した製品の販促法や売り方までノウハウを提供する。
「常に自分自身が買い手側の立場にいる。どんな商品なら欲しくなるか、どんなプロモーションなら知っていただけるか、広告表現はどうしたら良いのかと、町を歩いている時も考えている」
同社では、通販化粧品メーカーとしても事業を展開している。ここで培った営業・販売ノウハウをOEM事業でも活かすことで、OEMの顧客数と売上げを飛躍的に伸ばしてきた。それについて児玉社長は「冒険をして新しいことをしているのではなく、内需から見直し、高効率で製造しているから」と説明する。
「当社は提携工場で委託製造しているため、どこが最も生産効率が高いか探す。例えば、1日5000個製造できる工場に1万個お願いしてロット数を増やしてもコストは下がらない。6000個お願いするのは、人件費が下がるわけではないのでさらに効率が悪い」
品質を守るため、GMPを厳格に順守する工場であることも条件だ。
しかしながら、GMPは会社の上層部が理解していても、すべての社員が理解していないことが多い。児玉社長は「本来は会社全体でGMPは理解していなければならない」として、工場に行ったら抜き打ちで、スタッフにGMPに関する質問をしてテストをしている。そこまで徹底しなければ、安心・安全な医薬部外品を扱うことができない。
いち営業マン、開発者の意識で行動しているが、経営のトップとしても揺るがないモットーがある。
「販売が目的だから、良い製品はきちんとした価格で売りたい。でも、販売だけ考えていたらお客様には満足していただけない。販売ありきで適正な利益を得られるような仕事をしましょう、と社員には伝えている」
極端に儲けすぎても、薄利すぎてもいけない。利益を上げ納税することも企業の使命であり、結果的に社会貢献の一助となるという。
現在、通販メーカーとしての天真堂のECサイトは、自社が開発したカートシステムを使用している。同社では今後、このシステムをレンタル提供することで、物流から販売まで一貫して手掛けることができるOEMとして、顧客への販売提案を強化していく。
この記事は週刊粧業 掲載
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