花王・尾崎元規社長、2012年度(平成24年度)新入社員入社式訓示

カンタンに言うと

花王・尾崎元規社長、2012年度(平成24年度)新入社員入社式訓示

 この入社式には、花王㈱をはじめ花王カスタマーマーケテイング㈱、㈱カネボウ化粧品、花王ロジスティクス㈱、花王プロフェッショナル・サービス㈱、そして愛媛サニタリープロダクツ㈱、ニコー製紙㈱の皆さんが参加しています。

 こうして皆さん方の若々しく希望に満ちた表情に接しながら、私は昨年を代表する漢字に選ばれた“絆”という言葉を思い浮かべています。一年前の東日本大震災を経験した日本の人々は、あらためて家族や友人・知人などとの絆を大切にしたいという思いを強くしています。

 もちろん、ビジネスの世界においても人と人との絆はきわめて大切です。会社の仕事においては、何ごとにつけ一人だけの力で出来ることには限りがあります。社員同士がそれぞれの知恵と力を寄せ合うことで、はじめて世の中の人々に受け入れられるいい仕事ができるのだと思います。

 花王という会社はもともと、職種の違いや男女の違い、さらに上司や部下といった立場の違いを乗り越えて、社員間の結びつきが強い会社です。今後は新しい仲間となった皆さん方が、世界各国の社員の皆さん方と共に、自分自身の考え方を確立したうえで多様性を認め合い、強い絆で結ばれた花王グループを築いていってほしいと思います。

 花王は、1890年に「花王石鹸」の発売をもって創業して以来、120年以上にわたって、事業活動を続けてきました。この花王という会社には、『花王ウェイ』にもまとめられているように、数多くの先輩たちが営々として築きあげてきた良き企業文化があります。とりわけ、「消費者起点」と「現場主義」の考えに基づく“よきモノづくり”は、私たちの仕事の根幹となっており、花王をここまで発展させてきた原動力であると思います。

 私は、この花王のよき企業文化をさらに強化・発展させるべく、社長に就任して以来、「お客さまと共に感動する会社を目指して行こう」という目標を掲げています。

 “感動する”というといささかオーバーに聞こえるかもしれませんが、私の仕事上の経験からいっても、私たちの商品を使っていただいたお客さまからの“喜び”や“共感”の声ほど、私たちを勇気づけ、力づけてくれるものはありません。そして、それは「もっと感動してくれる“よきモノ”を創り出し、お客さまにお届けしよう」というエネルギーを私たちに与えてくれます。

 皆さんは、研修を受けられた後は、化粧品や家庭品そしてケミカルなどの事業部門、あるいは研究開発、生産、物流、販売、コーポレートなどの機能部門に配属されることになりますが、それぞれの職場で、世界中のお客様と“感動”を分かち合えるようなビジネスのプロフェッショナルになるという熱意をもって、日々の研鑽に努めてください。

 花王グループには大きな目標があります。それは、「グローバルな成長」を実現し、世界の市場において存在感のある企業となることです。そして、花王グループがこうしたグローバルな目標を果たすことは、ホームグラウンドであるこの日本市場の活性化につながり、また日本の未来、希望へとつながっていく道でもあると確信しています。

 皆さんは、5年後、10年後には、そのグローバルな発展の主役となるという高い志と気概を持つと共に、たとえばアジアの成長と自分自身の成長が重ね合わせて考えられるような、充実した日々を過ごしていただくことをお願いして、私の皆さんへの歓迎の言葉といたします。

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